2008年05月27日

経営者の”妻子”は「借入金の相関図」をつくり、個人債務を把握しておこう!


=備えあれば憂いなし…『個人編』=

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◆経営者の”妻子”は「借入金の相関図」をつくり、個人債務を把握しておこう! ◆
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◆PDF版◆
 
昨今の傾向として、中小企業経営者のご家族からのご相談が多くなってきています。
 「夫が経営する事業が銀行の融資打ち切りや貸し剥がしのため資金繰りがうまくいかずこのままでは倒産してしまう…!」と、社長の妻が蒼白な表情でご相談にいらっしゃるケースが多くなっています。
 「夫が何とかしてこいと云うので私も息子達もいろんな手段で借金してきましたが、もうこれ以上借りてくるのは不可能なので…。」と云うのです。今月末の資金繰りのメドさえ立っていない状況に、精根尽き果て途方に暮れてのご相談です。

 お話を伺っているうちに、少しずつ社長の問題やご家族の関係が見えてきます。
 取引先が合併した影響により今までの受注量が激減し、社内のリストラで規模を縮小しても借入金の返済やリースの支払い縮小にはなかなか応じてもらえず、やむなく妻がサラ金で借り入れ、それを銀行の返済やリースの引き落としに充て、それでも足りないときは長男からも借りたりしていたようです。
 致命的だったのは、ノンバンクからの借入枠を増やすために長男と長女をも連帯保証人に引き入れていたことでした。一家全員が連帯保証人になってしまったわけです。子供たちが連帯保証人になったことによって増えた400万円の借入枠がわずか430万円に増えただけで、30万円の増額のために子供達が連帯保証人に加わってしまったわけです。

 その後のお話として、結局その会社は倒産してしまい、このノンバンクは、新たに連帯保証人になったサラリーマンの長男と長女の勤務先に対して、本人の給料を差し押さえる手続きをとったのです。
 会社が倒産して間もなく、長男と長女もそれぞれ自己破産の手続きとったそうです。
 
 中小企業が経営不振に陥ったとき、その会社のスクリーニングの中から見えてくる数々の問題点の中には、経営者自身の債務問題もさることながら、妻や子供たちも会社の債務にたいして『保証債務』として関わっているケースが多く見受けられます。
 いざの事態にならないためにも、家族の一人一人が「債務相関図」」を整理しておくことが、経営者家族の心構えとして認識しておくことが大切なことなのではないでしょうか。

◆会社の借入金やその他の債務に関わる「債務の相関図」を整理すると…
◇借 入 先…
金融機関(銀行、リース会社、信販会社、ノンバンク、サラ金街金融等)
恩借り先(親兄弟などの親族、友人知人取引先

◇提供担保…
会社の資産(不動産、預貯金、受取手形、売掛金、株式債権、生命保険、等)
個人の資産(妻の不動産、親族の不動産友人の不動産、など)

◇連帯保証…社長個人、妻、長男長女夫や妻の親族友人知人取引先

 サラ金や街金融を金融機関と考えるには如何なものかと思いますが、中小零細企業の資金繰りの中に、こっそり「社長借入金」として存在していることも否めません。
 そればかりか、ノンバンクの取り立ても厳しいと云われていますので、借り入れするときは返済のメドがない限り、借り入れすることは本当に危険だと思います。

 中小企業経営者にありがちなことは、まだ受注に結びつくかどうか分からないような小さな商談なのに、あたかも”受注間違いなし”というような考えなって「もう少し辛抱すれば何とか切り抜けられる…」と云った具合に楽観的な判断に陥り、その”受注間違いなし”が前提にして上で、いわゆる「恩借り先」の関係者から借金をしたり、その人に「連帯保証人」になってもらったりして資金繰りをしているケースが多く見受けられるのです。
 これは、身近で支えてくれる”恩人を裏切る行為”なのですから、後々、再建どころか、再起さえ出来ない事態になることを社長も家族もしっかり自覚してほしいと思います。

 会社の資金繰りが厳しくどうしても外部から資金調達をしなければならないような状況であっても、前述の項目で下線(  )つけたような問題の起きやすい借入先からでなければ借りられないといった場合、このとき経営者はどのような決断をするべきなのでしょうか。

 連帯保証人がいなければ貸せないと云われても、それでも何とか借金したいと連帯保証人を引きずり込んでまで経営を続けることは、果たしていいことなのでしょうか。
 それとも、金融機関が融資を止めたり引き上げ始めたときには、傷が深くならないうちに経営を継続することは断念し早々に事業を閉鎖することを考えるほうが賢明な判断だといえる場合が多いと思います。

 中小企業のこのような実態を月々の試算表を通して経営状態を診ている会計事務所として、債務欄の借入金の小さな金額の動きにも見逃すことなく注意を払い、適切なアドバイスをすることが顧問先の安全な経営のためにも必要ではないでしょうか。

 そのためには、社長に対し会社の『清算貸借対照表(実態B/S)』づくりの指導が必要であり、一方、社長夫人や親族には『債務の相関図』づくりの指導が必要になってくるのではないかと考えます。
 『債務の相関図』は、出来るだけ毎月更新しておけば、会社に万一の危機が起こった場合でも、慌てず対応できるだけでなく、一生涯かかっても弁済できないような過剰な債務を負わないための「ブレーキ役」として威力を発揮してくれることでしょう。

 顧問先の指導は会計事務所の大きな課題であると思いますが、社長や親族が先生方のアドバイスにしっかり耳を傾けてもらう啓発用ツールとして、『債務の相関図』づくりをご採用いただいてはいかがでしょうか。


 さらに付け加えるとするならば、社長は自分の会社の債務に対して連帯保証人になっているだけではなく、友人や知人など第三者の連帯保証人になっている場合もあり得ますので、相続人である家族としては、社長が負うそれらの保証債務をしっかり把握しておくことも大切です。
 時によっては、社長に相続が発生したら相続放棄をしなければならない場合も考えられますので、『債務の相関図』づくりでは社長の債務の把握も重要になってくることでしょう。


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posted by 寛良 at 18:03| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆「寄稿&投稿の記事」のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月13日

◆『清算貸借対照表づくり』と『経営体力診断書づくり』は経営者の必須業務◆

備えあれば憂いなし…『企業編』
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◆『清算貸借対照表づくり』と『経営体力診断書づくり』は経営者の必須業務◆
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 経営危機を訴える中小企業経営者からの相談件数は平成19年末頃から急増し、景気のリスク要因である「原油高と原材料高」「個人消費の低迷」「サブプライム問題による金融動向」が見えないことに先行きの不安を感じている経営者が少なくありません。
気になるエネルギーや食品価格の高騰は、世界的なインフレ問題となる可能性が高くなってきており、米国を震源地とするサブプライム問題による「生産者物価」「消費者物価」の急速な上昇が目立ってきています。
 特に、日本における「コスト・プッシュ・インフレ」と云われる現象が、体力が回復していない中小企業の経営危機を引き起こしていることを見過ごすわけにはいきません。
 遅まきながら、中小企業基盤整備機構は、事業継続ファンドにより経営危機に瀕している中小企業の支援を、経済産業省は、ベンチャー企業に対する投資促進策を支援など、様々な支援制度が生まれていますが、M&A、IPO、再生MBOなどで「事業継続」を成功させるためには、経営体力、経営資源等がそれなりの要件を満たしていなければなりません。
 然しながら、リスク・カウンセラーとして気になるのは、中小企業経営者の中には、自社の試算表、決算書に目を通すだけで本当の「経営体力」を見ようとせず、経営危機に陥ってから慌てて「企業の実態を観る資料」を作るといった場面を多く、その作業に相当の時間を費やすことが気掛かりでなりません。
 そうした現状に対応するため、中小企業経営者に向けて「清算貸借対照表(実態B/S)」を決算時に作成し、そこから自社の「経営体力」をしっかりと観て自ら分析するという習慣を『清算貸借対照表づくり』や『経営体力診断書づくり』と名付け、その啓発活動をすすめています。
 
◆危機状態に陥った会社の決算書には下記のような共通点があります。
 ◇担保提供してある固定性預金
 ◇回収の見込みがない売掛金
 ◇デッドストックとなり販売できない棚卸商品
 ◇戻すことが出来ない社長への貸付金や仮払金
 ◇壊れて機能がなくなった設備機器
 ◇現金化できない出資金

このように、分かっていながら見えないふりをして…惰性のまま資産として数年間にわたって計上したままの「月次試算表」は、企業の実態を観る指数にはなりえません。
 これら、換価価値のなくなった資産を計上している試算表や決算書は、早急に処分するべきで、『清算貸借対照表(実態B/S)』をつくることこそが、中小企業経営者の経営改善に取り組む第一歩だといえます。
 「敵ヲ知リ、己ヲ知レバ百戦危ウカラズ」と云われますが、敵を知る以前の問題として自分の会社の実態すら把握できていないようでは、いざという時に企業を守ることなどは出来ません。

 経営者は、時として社会の動きを捉えて経営に当たらなければならないことは当然のことなのですが、「時流ヲ追ウ者ハ、時流ニ潰サレル」という言葉のように、経営者が、いたずらに時流(流行)を追うようでは足下がおぼつかなくなり息切れしてしまいます。
 
 中小企業が、思いもよらない事態で経営危機に遭遇しても、その危機から脱して再生や再建ができている企業に学ぶものは多くあります。危機を乗り越えられた企業は、社長をはじめとする経営陣と社員たちが『経営体力診断書』のチェックポイントを全員が日常的に認識し、社会の動きをしっかり受け止めながら切磋琢磨しています。
 『経営体力診断書』は一般的な教科書に示されている「経営指数」で示されるものだけを云うのではありません。
 それは、それぞれの企業ごとに異なるものであって、その会社の「生命力」や「復元力」となるような他社には真似の出来ない独自の『輝くモノ』を創り上げることこそが、万一の事態への備えとして大切なことと云えるのではないでしょうか。
 創り上げた『輝くモノ』が光を失わないように…経営者が自らそれを磨き、その姿を見る社員がそれを誇りにできるような企業は、揺るぎない企業として生き残ることが出来るのでしよう。
 中小企業経営者は、事業が順調に展開している時には…とかく傲慢になりがちになり、家族や会社の「不言の言」に気づかないことが多く、危機が表面化してから慌てふためき猛省しても「時すでに遅し」の事態になっている場合が多く見受けられます。
 会社経営の一番近いポジションにいらっしゃる会計専門家に対して、経営者は絶大な信頼を寄せているのは真実だと思います。その反面、すべての会計専門家が経営指導をしてくれると期待していないことも残念ながらよく耳にする言葉です。
 それ故に、顧問先との関わり方を見直すことで、深い信頼関係を築きあげることは容易なことだと思います。
 経営者が、自社の実態を認識するには『清算貸借対照表(実態B/S)』が何よりも大きな力を発揮してくれることは間違いありません。

 第一段階では、会計専門家のアドバイスに経営者がしっかり耳を傾けてもらう為のツールとして『清算貸借対照表(実態B/S)』を活用することです。それにより、経営者が自社の経営実態を客観的に分析できるようになり、相互のコミュニケーションが飛躍的に高まってくるのです。
 第二段階では、『経営体力診断書』づくりの啓発を繰り返し支援することです。経営者が自分の会社の『輝くモノ』を創り上げていくことによって、経営体力の柱となるような具体的な目標が顕在化してきます。
 この作業を、毎年継続的に繰り返すことによって、デスクローズされた企業として見違えるように変革を遂げることができると思います。

 打たれ強い中小企業経営者を育てることは、会計専門家の使命として広く社会から期待されておりますが、それは専門家だからこそ体感できる醍醐味ではないでしょうか。
 中小企業の経営者が期待する要求に応えるべく、実践コンサルタントやカウンセラーなどの専門家と連携をとることによって、更に深みのある盤石な経営体質の顧問先が育つことができるのではないでしょ
うか。



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posted by 寛良 at 18:28| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆「寄稿&投稿の記事」のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月11日

【経営者は清算貸借対照表(実態B/S)で経営体力を自己診断しよう!】


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【経営者は清算貸借対照表(実態B/S)で経営体力を自己診断しよう!】
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◆日経ベンチャーONLINE

 昨年から日本の景気は回復したという報道に、多くの中小企業経営者はその実感がないと嘆いていたのも束の間で、米国を震源地とするサブプライム問題から原油高などにより、体力が回復していない中小企業から再び経営危機の叫び声が聞こえています。
 政局が混沌とする中、「原油高と原材料高」「 個人消費の低迷」「サブプライム問題による金融動向」は現在の景気のリスク要因だといわれていますが、景気の先行きが見えてこない昨今の状況に焦燥感をもつ中小企業経営者が少なくありません。
 一方、経済産業省はベンチャー企業に対する投資促進策を支援、中小企業基盤整備機構は事業継続ファンドにより危機に瀕している中小企業を支援するなど、様々な支援制度が生まれています。M&A、IPO、再MBOなどで事業継続を成功させるためには、経営体力、経営資源等がそれなりの要件を満たしていなければなりませんが、中小企業経営者の中には、自社の試算表、決算書に目を通すだけで本当の「経営体力」を観ようとせず、経営危機に陥ってから慌てて資料を作るといった場面が少なくありません。

リスク・カウンセラーとして平時から気になるのは、中小企業が経営危機に直面したとき企業の実態を観る資料が整理されておらず、経営者が自社の経営体力をしっかり把握できていない場合が多く、実態を理解してもらうための資料づくりに相当の時間を費やすことです。
 中小企業経営者に向けて「清算貸借対照表(実態B/S)」を決算時に作成し、そこから自社の「経営体力」をしっかりと観て自ら分析するという習慣を『清算貸借対照表づくり』や『経営体力診断書づくり』と名付け、その啓発活動をすすめています。
 危機状態にある会社の決算書の特徴には共通点があります。それは…、
・担保提供してある固定性預金、
・回収の見込みがない売掛金、
・デッドストックとなり販売できない棚卸商品、
・戻すことが出来ない社長への貸付金や仮払金、
・壊れて機能がなくなった設備機器、
・現金化できない出資金
など、ツラツラと資産として数年間にわたって計上したままの「月次試算表」は、企業の実態を観る指数ではありません。
 これらの、換価価値のなくなった資産を計上している試算表や決算書は、早急に処分しておくべきで、「経営体力」がすっきりと見える「実態B/S」をつくることこそが、中小企業経営者の経営改善に取り組む第一歩だといえるのではないでしょうか。
 会計処理の原則により台帳から削除できないものもありますが、処理方法は税法上の制約もありますので税理士、会計士と相談していただき、経営者が自ら作成する『清算貸借対照表(実態B/S)』こそが正しい経営指数の原点となるものだと信じ、日々の経営を振り返るための習慣となることを心がけていただきたい。


(著:株式会社ホロニックス総研 リスク・カウンセラー 細野孟士)



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posted by 寛良 at 18:38| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆「寄稿&投稿の記事」のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月29日

『経営者会報』9月号が発行されました。

 
 

◆『経営者会報・9月号』が発刊されました
 
 

「家族を守る」危機管理術−第12回(最終回)
テ−マ『コンプライアンス意識こそが最大のリスク管理に…』

 


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平成18年の倒産件数が9572件と
前年を9.3%も上回っていたことをご存じだろうか。

その中には…
経営者のコンプライアンス(法令遵守)意識の欠如が要因となった
ケースも少なくないはずだ。

一つの不祥事が
企業の命脈を絶つ危機を経営者は知っておかなければならない。



記事の詳細
ホームページからもご覧いただけます。





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posted by 寛良 at 17:48| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆「寄稿&投稿の記事」のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月27日

『経営者会報・8月号』が発刊されました

 
 

◆『経営者会報・8月号』が発刊されました
 
 

「家族を守る」危機管理術−第11回
テ−マ『独創的だったはずの商品が類似商品として訴えられた』

 
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消費者の移り気な心をとらえようと
雨後の竹の子のごとく
新商品が次々に市場に投入されるが
そのほとんどは泡のごとく消えていく。

売上・利益を確保するには
他社に先駆けた独創性の高い商品開発が必要になるが
そのとき恐ろしいのが知的財産権だ。

忙しさにかまけてその調査を怠っていると
会社が消えてしまうことも…。


■「記事の内容」と「バックナンバー」はここからご覧下さい。



リスクカウンセラーへのご相談は…


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posted by 寛良 at 15:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆「寄稿&投稿の記事」のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする