2017年07月01日

相続税対策という名の資産減少にならないためには

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相続税対策という名の資産減少にならないためには
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なるほど納得・・・・不動産!!……No.044   株式会社ありがとう・不動産
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 2015年の相続税改正が影響して、以前にもまして相続税対策が意識されるようになり、ここ数年アパートやマンションの建設や購入を目的としたローンの貸出額が増えています。以下のグラフは、過去10年間のローン件数と新規貸出額の単年度合計の推移です。相続税の増税が決まったあとの貸出金額の増加傾向は、一目瞭然です。ここで注意すべきなのは、長年アパート等を貸して収益をあげてきたオーナーがその一環としてローンを組むのではなく、たまたま土地などの資産を持っていて、相続税の支払いで資産が減るのを嫌い、建設業者の営業担当者に勧められるまま、所有する土地にアパート等を建設するケースがこの急増を支えている点です。最近では金融庁も警戒感をあらわしていると報道されています。

 ではなぜ、不動産賃貸の知識も経験もない土地所有者がローンを組んでまで賃貸アパートを建てるのでしょうか。建設業者の営業が力を入れるセールポイントを2点ご紹介します。ひとつめは、相続税の節税効果です。不動産の評価額は、賃貸物件になると大幅に下がります。賃貸アパート等の借主は、一般消費者として保護されているため、借主を立ち退きさせて、不動産を売却するといったことが簡単にできなくなるため、評価額が下がるわけです。ふたつめは、一括借り上げによる安定的な収入です。一括借り上げとは、25年や30年といった長期にわたり、一定の家賃収入を保証すると謳ったものです。つまり、土地所有者は、営業担当者の助けを借り、ローンを組んでアパート等を建て、それを一括で借り上げてもらえば、その収入でローンを返済し、完済したあとは、安定的収入を得られると考えるわけです。しかし、注意すべきは一括借り上げの仕組みです。

 30年といった長期保証が謳い文句であっても、そのアパート周辺の競合物件の賃料が大幅に下がれば、たとえ空室がなくても収益は減少し、契約時の保証賃料が見直されることになります。その時点で俄か家主さんが慌てて契約書を読み込むと、保証賃料が見直される条件が小さく書かれてあるのに気がついたという話はよくあります。また保証賃料の見直しを渋っている俄か家主さんが一括借上会社が倒産すれば元も子もないと脅されたという話も聞きます。どちらにせよ、一括借り上げをした会社のみがリスクを背負うということではなく、一括であろうと貸した側もリスクを背負う結果になります。それでも、賃料の下げ幅が小さかったり、ローン借入額が少なかったり、ローンの返済に支障がなければいいほうで、返済に窮してアパートなどが差し押さえられることもあり得ます。相続税を少なくしようと手を出したアパート経営によって、相続税を支払う心配どころか、借金が残ってしまうこともあり得ます。

 そうならないためには、アパートを建ててしまえば利益を十分に確保できる建設業者とも、俄か家主さんにリスクを転嫁する一括借上会社とも、不動産を担保にローンを貸す銀行とも関係のない第三者の税理士や不動産業者といった専門家の意見を聞くことだと思います。 

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2017年06月01日

家を購入後、転勤になったときの選択肢

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家を購入後、転勤になったときの選択肢
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なるほど納得・・・・不動産!!……No.043  株式会社ありがとう・不動産
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 わが家を手に入れたと思ったら、転勤になるというのは、現実的にあり得る話です。実際にそのような経験をした全国の20代以上の男女100人に、その家をどうしたのかを尋ねたアンケートの結果がスマイスターMagaZineというWebサイトに公開されています(https://www.sumaistar.com/magazine/article/column/sumaistarri/5327)ので、ご紹介します。

 結果は、『売却』が12.0%、『賃貸』が23.0%、『空き家』が6.0%、『社内借り上げ』が5.0%、  『家族が居住』が54.0%でした。このうち、何らかのかたちで現金(収入)に変えていたのが、『売却』、『賃貸』、『社内借り上げ』の合計40%になります。

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 ここで、この状況の選択肢を検討してみたいと思います。社内借り上げ制度を利用できない方や住んでくれる家族が近くにいない方もいらっしゃるかと思いますので、この2点は、選択肢から外し、残りの3点で検討してみたいと思います。

1.売却
 先々のリスクが少ないのが利点です。立地等の条件によって大きく変わりますが、中古住宅の相場が値崩れを起こす心配をしたり、固定資産税や管理費用といった固定費を抱えたりするリスクがありません。その一方、再び同じ勤務地に戻ってきたとき、売却した物件以上に気に入る家を見つけられないリスクもあります。その家を気に入っている度合いと同じ勤務地に戻ってくる可能性などを考慮に入れる必要があります。

2.賃貸
 売却の選択肢で、また同じ勤務地に戻ってきたとき、同じ家に住みたいと考えた場合、この賃貸が魅力的な選択肢になります。しかし、『普通借家契約』という一般的な賃貸借契約を交わした場合、元の勤務地に戻ってきてもなお、借主が住み続けることを希望すれば、家を明け渡してもらうことは簡単ではありません。そのため、いまでは『定期借家契約』を利用することが多くなりました。これは2年や3年といった期間限定の契約です。このとき注意する点は、契約が二重になることによるリスクです。@ 転勤する方が貸主、仲介業者が借主となる契約、A その仲介業者が貸主、一般消費者が借主となる契約、の2つです。基本的に、借家契約においては、貸主が業者、借主が一般消費者になる前提で、業者に比べて知識が限られる一般消費者、つまり借主を保護する観点から法律が整備されています。@ の契約においては、その立場が逆転するため、契約書を熟読し、不利な契約になっていないか、ある程度の知識をもって対応する必要があります。また、普通借家契約に比べ、収入面では見劣りするのが一般的であり、住宅ローンの借入がある場合など、税制優遇を受けられなくなっても返済に問題がないか十分に検討する必要があります。

3.空き家
 売却することも貸すことも選択肢として考えられない場合、空き家のままおいておくことになりますが、ご存知のとおり、空き家のままでは、家の傷みが想像以上に進みます。この場合、空き家管理サービスを利用することをお勧めします。いまでは、対応する企業数が増え、このサービスを利用できる地域も増えました。『空き家管理サービス』でインターネット検索すると、情報を得ることができます。周囲の環境にもよりますが、不法侵入を受けるリスクもありますので、少なくとも巡回確認サービスなどは依頼されることが望ましいでしょう。


2017年05月01日

その不動産、活用の道はありませんか?

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その不動産、活用の道はありませんか?
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なるほど納得・・・・不動産!!……No.042  株式会社ありがとう・不動産
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 国全体で人口が減りつつある状況下で、不動産会社の視点で見れば、不動産売買が発生する見込みが少なくなり過ぎれば、当然ながら過疎地域から撤退せざるを得ません。たとえば、山形県朝日町には不動産会社がなく、町役場が「空き宅地」「空き店舗」「空き農地」の情報を提供して、町内で住みたい人や商売をしたい人を支援しています。

 このように、不動産会社が撤退するような地域の不動産を相続した場合、相続を放棄する人が増えていると言われています。この推測を呼んでいるのは、家庭裁判所に対し相続を放棄すると申し立てる件数の推移です。(http://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/search)以下のグラフのように、右肩上がりで増えています。そういった推測を裏付けるような事実もいろいろあります。まず、被相続人と相続人(多くは親と子)が別の土地で暮らしているケースが増えていること、次に、いったん相続してしまえば、固定資産税などの固定費の負担を続けなければならないうえ、空いたままの住居が荒れて周囲の迷惑となれば、取り壊し費用を負担せざるを得ないこと、最後に、相続財産のほとんどを土地と家屋が占めるケースが圧倒的に多く、相続を放棄しても現金や有価証券などの資産放棄が微々たる額にしかならないケースが多いことです。たしかに、経済的な面を考えると合理的な判断に見えます。しかし、経済的価値が少ないからといって、その不動産を残された方々の思いは、どうなのでしょうか。遠くに住む次の世代の相続人に戻ってきてもらいたいとまでは思っていなくても、何かしら活用してもらいたいという思いがあるかもしれません。

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 そこで、いわゆる戸建てに限って、ご提案が2点あります。ひとつは、実際に相続が発生する前に、ご自宅などの不動産をどうするのが良いか、話し合いを持たれることをお勧めします。経済的価値がどの程度かによって方向性が変わるようであれば、不動産会社にご相談ください。いったん見積もりを依頼すると、しつこく売買を迫られるかもしれないなどの不安があるかもしれませんが、心配はありません。どんな不動産会社も納得するフレーズがあります。「よその会社に(すでに)お願いしました」とひとこと言えば済みます。活用できるものは、ぜひ活用なさってください。 もうひとつは、実際に相続が発生したとき、経済的価値がとても低く、買主を見つけるのが難しい状況に直面したとき、「タダ(無料)なら、この不動産をもらってくれますか?」と周囲の不動産会社にお尋ねになってはいかがでしょう。不動産会社のなかには、その不動産だけでは活用の道がなくても、周囲との兼ね合いで将来的に活用の道が開けそうであれば、引きとる会社も出てきています。

 最後に国も、所有者不明の土地や空き家の増加に歯止めをかけようと動きはじめています。たとえば、相続手続きの簡素化です。2017年5月下旬から、全国417の登記所に関係書類一式を提出すれば「法的相続情報一覧図」の写しを無料で発行してもらえるようになります。いままでは、被相続人の出生以降の全戸籍謄本と全相続人の戸籍抄本を窓口ごとに提出する必要がありましたが、これからはこの「法的相続情報一覧図」が使える窓口が増えると思われます。もし相続が発生したときは、ぜひ行政や金融機関などの窓口で最新情報をお問い合わせください。

2017年04月01日

お客様を釣る査定価格や 会社の知名度に惑わされないで!

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お客様を釣る査定価格や 会社の知名度に惑わされないで!
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なるほど納得・・・・不動産!!……No.041  株式会社ありがとう・不動産
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不動産情報発信サイトの『スマイスターMagaZine』で、興味深いアンケート結果( https://www.sumaistar.com/magazine/article/column/10001/column_1181.html )を見つけたので、ご紹介します。不動産売却の経験がある312名の方たちを、不動産を1軒所有する方と複数軒所有する方に分けて、売却を依頼する業者を選んだ際の基準を訊いて集計したものです。

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 せっかくですので、意識の違いが大きい項目2つを取りあげてみたいと思います。ひとつめは『査定価格が高い』です。1軒所有の方の30.8%が売却依頼業者を選ぶ際に最も重視したと回答されました。複数軒所有される方の数字は、半分以下の15.0%です。1軒所有の方の3人に1人の割合で、重要視された査定価格ですが、どのように高いと判断されたかが気になるところです。

 たとえば、ある物件を売りたいと思い、査定を受けたとします。A社は3000万円、B社は2500万円、C社は2400万円という結果だったと仮定しましょう。A社はB社より2割も高いので、このA社と専任媒介契約(契約対象の不動産の売却について、仲介するのはこの不動産会社に限るという契約のこと)を結んだとします。それから2か月経っても、内覧希望者がひとりもあらわれません。そこで「思い切って値段をさげてみたらどうでしょう?」と仲介不動産会社から申し入れを受けたとします。そうです。問題は、ここにあります。査定価格は、最初に売り出すのは、その金額にしましょう、という目安にしかすぎません。どの不動産会社もそんな悪質なことをしているわけではありませんが、この『査定価格が高い』ことにお客様が魅力を感じられる心理を利用して、査定価格は高くしておいて、あとになってから「この金額では売れませんよ」と言い出す業者がいることも事実です。お客様からすれば、期待していた金額で売れないばかりか、無駄に時間を費やす結果になります。こういう査定結果のときは、A社の査定価格は、考慮に入れないほうが賢明です。気になるのであれば、もう1社査定を依頼しましょう。もし2600万円という結果が出たら、2400万円から2600万円が期待していい価格帯だという目安になります。肝心なのは、査定結果の外れ値を除外することです。

 ふたつめは『知名度』です。こちらは1軒所有の方が7.7%で、複数軒所有の方は13.4%と倍近く数字が違います。知名度の高い不動産会社のほうが確かに安心感がありそうです。しかし、その知名度はどのように築きあげられたものでしょうか。高い広告宣伝費を費やした結果であれば注意が必要です。その費用を回収するため、お客様の利益よりも自分たちの利益を優先するような行為に走っていないか気にする必要があります。知名度のある会社がこういうことをしているというわけではありませんが、購入希望者を広い範囲から探さず、自社のお客様に限って探す会社もあります。一度の売買で、売却による手数料と購入による手数料の両方を得るためです。いくら大手でも、一社ではお客様に限りがあります。より高い価格で購入してくれる買主を逃している可能性があるので、知名度と信用は別だと考え、信頼できる相手かどうか自らの目で確かめられることをお勧めします。

 わたしがもしこのアンケートに答えさせてもらっていたら、「信頼できる営業担当」を選びます。

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2017年03月01日

地図上でマンションの相場価格を調べる方法

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地図上でマンションの相場価格を調べる方法
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なるほど納得・・・・不動産!!……No.040  株式会社ありがとう・不動産
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Googleマップの写真イメージ上でマンションの価格情報を見ることができるサイトをご紹介します。

 HOME’Sという不動産・住宅情報サイトの『プライスマップ』(http://www.homes.co.jp/price-map/)では、物件売買が多い地域(関東圏と関西圏)のマンション情報が見やすく提供されています。個人情報を入力する必要すらなく、いたって簡単な操作で、数多くのマンションを比較できます。このWebサイトが優れている点をいくつかご紹介したいと思います。
(1) 高度に視覚化されている
 このプライスマップで画像表示(下図)にすれば、周囲の環境が一目瞭然です。隣にある高いマンションのせいで日当たりが悪いといったことがわかります。
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(2) 地図情報の上に基本情報が表示される
 築年、坪単価、最寄駅へのアクセスといった基本情報が地図から目を離すことなく確かめることができます。
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(3) 地図上に表示された物件の詳細情報が横に表示される
 過去にHOME’Sで売り物件が掲載されていれば、その情報(下図)も手間をかけずに見ることができます。場合によっては、階や方位による価格差を瞬時に確かめられることもあります。
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(4) 自宅の売買以外の用途にも利用可能である
 賃貸の参考価格や表面利回りなどの情報も同時に閲覧できるので、投資物件や自宅用の賃貸物件を探すのにも使えます。

 最後に注意点を添えたいと思います。
(A) あくまで過去の数字をもとにした推定値である
 マンションは、戸建て(土地)と違って、個々の物件の差は少ないとはいえ、掲載されているのは、あくまで参考価格であって、検索された時点の見積価格ではありません。
(B) 掲載地域が限定される
 売買物件の少ない地域は、表示されません。

 これら長所と短所をふまえて、マンション売買における便利なツールとして活用なさってください。

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