2006年12月31日

経営者が発信している危機信号の察知と決断のタイミング…I最終回


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┗■経営者が発信している危機信号の察知と決断のタイミング…I最終回



◇再起に向けて「破産」「民事再生」にもお金がかかる…



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債務超過になった経営者は…
資金繰り、売掛金回収、手形の決済資金、不良品対策、倒産危機の風評など
マイナスの後向きの仕事に忙しくなって
営業活動や商品開発の
前向きの仕事が出来なくなっています。

一旦、破産処理して再起する方法…
民事再生法の申請によって再建する方法など
リスクカウンセラーのスクリーニングと
弁護士の法的判断処理によって
前途が明るくなってきます。


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しかしながら…
法的な手続きによって
再起や再生を図るにしても…
裁判所に予納金を納めなければその手続きは進みません。

予納金は…
裁判所から指名された弁護士が
破産事件の場合は…「破産管財人」として
民事再生の場合は…「管理人」として
その処理に就く際の…
当面の費用として必要になるものです。

倒産するにしても…
再生するにしても…
お金がかかります。

最低限の…予納金を手元に残して…
弁護士に相談しなければ
法的手続きをお願いすることは出来ません。






経営の危機管理は
早期発見、早期対応です。

経営者が立ち往生しているその姿を…
経営者が発しているSOSの信号を…
身近にいる誰かが発見して
一歩前進できるように導いてあげてください。


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経営者が発信している危機信号の察知と決断のタイミング…H


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┗■経営者が発信している危機信号の察知と決断のタイミング…H



◇「相談→理解→決断→実行」までの流れ…



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リスクカウンセラーに相談するまで
債務者は多くのことに混乱し
自分ではどうにもならないことに気づくまで
苦悩の時間を過ごします。

リスクカウンセラーは…
会社が潰れる(倒産・破産)ということになったら
どういう結果が待っているのかが分からないため
不安ばかりで決断できないのです。

真っ暗な暗闇に閉じこめられたような状況で
洞窟を抜け出たときの世界を
つぶさに話してあげるようにします。

そのためには…
冷静に自分と自分の経営する会社の状況を
客観的に観られるようにサポートします。

つまり…
再起できる状況なのか…
道理的に観て無理なのかを
資料と社長の周辺環境や社長の意思などの確認から
推し量ることが出来るのです。

そこで大切なのが
決断の後押しをしてあげることなのです。

決断さえ出来れば
資料を整理し弁護士との接点を作り
俗に言う…「Xデー」に向けて作業をします。

やがて…
債権者集会を経て…
晴れて免責になるのです。


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社長の家族や友人、税理士が…
経営者が発している「SOS」信号を見つけ
リスクカウンセラーに相談するように
その機会を作っていただければ
それだけで…社長は大きく変わっていきます。

資金繰りなど経済的に苦しむと
精神的に辛くなり
鬱病や、強迫神経症になったりします。
時には…
かかってくる電話の音にさえ怯えることもあります。

心が病んでくると…
病気になってしまいます。
高血圧、下痢、めまい、糖尿病などの症状となって
身体的に苦しんでしまう場合もあります。

経営者が…
健康的に問題が生じた場合
資金繰りなどで苦しんでいる場合があることを
周囲の人は…
いかに早く気がつくかが…
問題解決の第一歩だといえます。




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リスクカウンセラーは…
社長や家族(クライアント)と同じ目線で
常に側に寄りそうといった状況で接します。

時には…
弁護士事務所へも同行し…
親族や家族や債権者との対応なども
細かく相談に乗ってくれます。


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経営者が発信している危機信号の察知と決断のタイミング…G


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┗■経営者が発信している危機信号の察知と決断のタイミング…G



◇「決断できなくて法人・個人が破産になった」事例…


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この事例の場合は…
売上が激減して債務超過になっている経営者です。

千葉市近郊で大規模入浴施設を経営する社長は
自宅周辺の数ヶ所に
先祖代々所有している不動産があるにもかかわらず
先祖からの資産だとして処分できず
最終的には…
全ての不動産を債権者の金融機関によって競売にかけられ
処分せざるを得ない状況になってしまったのです。

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そもそもの原因は
バブル経済の最盛期に会社の名義で
借地だった土地の底地権を
4億5千万円で購入し事業の拡大を図りました。
その資金は全て借入金であり
個人と法人が所有する土地が担保になっていた。

ところが売上高が激減して
当初の5分の1になってしまい
減価償却前の利益が…わずか600万円になり
借入金の元金を返済するどころか
利息を支払いうことさえ
ままならない状態となっていました。

金融機関から…
再三にわたり催告書が送達されていましたが
何の対応もしないまま放置していたため
金融機関は…
「期限の利益が喪失した」として一括弁済の請求を求めてきた。

自宅の敷地内に…
先祖代々の墓地があることを理由に
自宅を手放すことを頑なに拒否していたが
金融機関は…
競売開始の法的手続きに踏み切った。


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債務者は債権者の立場を理解しないで
自分に都合のいいことだけを考えても
自分が思うようにはならないことを…
きちんと知っておかなければならない。

銀行から借り入れをするとき…
債務者は担保物件を提供し債権者は抵当権を設定する。

銀行が返済を催告し債務者が無視しても
債務者に催告書を送達することで
法的手続きの第一歩が始まることとなるのです。

ある一定の期間を経過してもそれに応じないと
借り入れ時の約定により『期限の利益を喪失』をすることになる。
これは…
分割で返済することで約束していたが
債務者が一方的にその約束を守れなかったので
契約に対して信頼関係を保てなくなったことになり
残債務を一括で返済することを求めている書類です。

次の段階は…
銀行は債務者に対して持っている債権を
銀行系の債権回収会社に売却して
銀行としての債権を確定してしまいます。

更に…
海外の投資家がその債権を買ったり
債権回収会社に売却したりして
至って事務的に処理されていくのです。

自宅を手放したくないと…幾ら抵抗していても…
結局は…
債権の立場で破産申立をすることが出来るので
自宅も…法人も…
債権者の申立によって「破産整理」をさせられることになります。


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破産に至った社長の特長には…共通点があります。

優柔不断で問題を他人のせいにする人
見栄の固まりで公職から離れられない人
生きたお金の使い方が出来ない人

特に…
会社が火の車状態で
会社や個人が所有する不動産を売却して
借金をドンドン軽くすればいいのに
●●●●●クラブの会長だから…
来年になるまではそれが出来ない…と
問題を先送りにしているような場合
全てが手遅れになってしまうのを理解出来ない人
などはどうにもなりません。

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あるアパレル会社の事例ですが
資金繰りが苦しくなってから破産に至までの
顛末を時系列的に整理した図です。

問題は…初めは…
「商品在庫の投げ売り」をした時点にあり
次が…
「生命保険を解約」した当たりに決断をしておけば
人生が大きく変わっていたと思われます。


大きく転落していくのが…
「親の財産を担保にしたこと」から始まり
兄弟、親戚から借り入れしたり
友人に連帯保証人を頼んだり…したことでした。

最後の駄目押しとなったのが…
「街金融からの借入」とだといえるでしょう。





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2006年12月10日

◆経営者が発信している危機信号とは…F


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◇「再起した会社」の社長の特長をみると…


前回までに…
会社の危機をどのように発見するか…
会社の危機の兆しは…
どこに潜んでいるのか…
詳細にわたり検証してきましたが

そのような兆しがあっても…
その兆しに気づいていても…
直ぐに行動をするか…
それとも…
分かっていても…
なかなか行動をしないのか…
それによって再起できるか…
倒産するかが決まってしまうのです。

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大口取引先のとつぜんの倒産で
会社に突然やってくる経営の危機に直面したとき
再起できる社長の決断は早い。

直ちにシミュレーションをして
ダメなのか…まだ大丈夫なのかを即刻判断する眼をもっている。

社員の先頭に立ち…ねばり強く
銀行や取引先と交渉したり…
自らが行動をして…嫌なことを社員に任せるようなことは決してしない。

また
家族の結束が堅く…
妻や子供達を連帯保証人にするようなことはしていない。

社長は…
腹をくくって万一の時の覚悟を決めているのだから
家族達も安心してついて行く。

見栄を捨てて…それを家族達にも十分説明しているのだから
後々の挽回する起死回生のその時までの
家族の結束は堅い。

金銭的にも…執着心がないから…
取引先や外注先の反感もなく…再起の時の協力者も多くいる。

特に…
最後の土壇場で生き延び工作をするような
後ろ向きのお金の使い方はしない。

金融機関や取引先に対しても
きちんと礼を尽くすことができ
社長の意志を継いでいる社員が独立したいと言えば…
むしろ喜んでそれを応援するぐらいの器量と度量を持ち
ズルズルと過去を引きずることなく…
今ここに生きていることを
心から感謝して人生を楽しんでいる。




☆。.:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・.:*:・'゜☆。.:゜★。.:*:・

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2006年12月04日

◆経営者が発信している危機信号とは…E


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┗■経営者が発信している危機信号の察知と決断のタイミング…E



◇「試算表」から経営の危機信号を読み取る…


試算表の資産の部に注目してみましょう。

流動資産には
はじめに現金や預貯金があげられます。

◇現金は…
帳簿と現在在り高が一致しているのか…

◇預金は…
借入金の担保になっているとすれば
いざという時に解約することはできず
試算表に計上されていても
使えないお金になってしまいます。

◇受取手形は…
融資を受けている銀行に取り立てに出してあった場合…
いざというときにはなかなか現金にすることができなくなるのです。

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◇売掛金は…
長期間にわたり未回収できないまま放置されていたり
値引き処理をしないままであったり…
返品されていたまま伝票処理がされていなかったり…
試算表に計上されている金額が
本当に正しいのかを確認しておく必要があります。

◇不渡手形、貸倒金は…
文字通り「不渡り」や「貸倒れ」ですから
いつまで待っていても現金にはなりません。

◇棚卸し(商品)は…
長期間にわたってデッドストックになっている商品はないか…
返品されたまま未処理の商品
商品が痛んでいたり…梱包が傷ついている商品…
などの…
換価できない商品は…
資産としていつまでも計上しておくのはおかしいのです。

◇固定資産は…
毎年減価償却すべきものを
減価償却しないままいつまでも放置しておくようでは
本当の資産を算出することはできません。

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「資金繰り表」を日常的に活用することによって
そこから多くのことが発見できます。

「入るを量りて出ずるを制す」という言葉の通り
資金繰り表によって
かなりシビアな数字を確認することができるので
経費の無駄遣いも
鮮明に判断することができます。

特に注目したいのは…
「試算表」では数値は出てきませんが
リース料などはその典型的なもので
資金繰り表の中では
必ず表記されるようになります。


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資金繰りが苦しいときは
その周期をできるだけ短く取り
毎日…
毎週…
5日間隔…
10日間隔…
1ヶ月間隔…
といったように…
その時の状況に合わせて作成するようになります。


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