中・小・零細企業を救う…「清算貸借対照表」の作り方と活用法−第12回
【「清算貸借対照表」の活用法】○私が提案することですが、「清算貸借対照表」の活用法です。
■PDFでご覧頂けます p-20.pdfまず活用法の前に、
いつ作ったら効果的かと考えたわけです。
私がお勧めしたいのは、
まず決算申告書が先生のところから来たと、
あそこにびっしり勘定明細があるわけですから、
そこを見ていくと、
「これは本当にあるの?」
ということをやっていくと、
ない、ないとなっていきますので、
これは非常にタイミングとしてはいい。
先ほどのように、
経理上は資産にあるのだけれども、
長期営業債権など何千万もありますが、
実際にそれが本当に会社の財産なのかということを考えた場合に、
ちっとも財産でも何でもないわけです。
そんなことを見ていくにも、
その時期がいいのではないかと思います。
もちろんそれが、
日ごろ瞬時で数字を見られるように習慣づいていきますと、
資金繰りが苦しくなったら、
まずここから手をつけてみる。
清算B/Sを作るところから手をつけることが
いいのではないかと思うわけです。
次に、
だれが作るのが適切かというと、
私はやはり
「社長、自分で作るのがいちばんいいですよ」というところです。
自分で作るのですから、
納得せざるをえないと思うのですね。
先生がたあるいは職員のかたが指導しながら、
そのようなことを習慣的にできるようになっていくと、
経営者の意識もだいぶ変わってくるかと思います。
まとめ方としてはどんなまとめ方か。
清算B/Sだけをやるときにはこれですし、
特にこのときに、
個人のものも一緒にやっておいていただきたい。
あとでちょっと出てきますが、
いわゆるB/Sの数字を時系列に、
毎期毎期、
同じような指数でとらえられるようなところをずっと書いていくのです。
これなどはそうやってみたものです。
これは恐らく10年ぐらいあると思いますが、
このような形でずっと見てみます。
私がかかわったのは平成6年か7年ぐらいからです。
数字に赤い線を引っ張っているあとあたりです。
そのように記憶しています。
このようなものとか、
またあとでお話ししますが、
そういうものをまとめてやっていただければ、
かなり資料の裏づけが見えてくるのではないか。
いきなり清算B/Sというのではなくて、
それとつながっていく数字があって、
初めてその数字というものも、
瞬時でとらえたものでありながらも、
過去の背景を全部そこに反映してみることができるだろうと思います。
もう一つ、
どのようにまとめたらというところで、
整理していて確認できない資料、
「どこへ行ったらそれが分かるのか」
というものもやはりあるのです。
特に指導のときに言っていただきたいのは、
借入をしたときに、
だれが連帯保証人になっているか、
どういう契約になっているか。
借入の金消契約の控えを取っているところは案外少ないのです。
慌てて聞いてみて、
聞かれた銀行のほうも
「なんでそんなことを今、聞いてくるのだろう」
と当然思うと思います。
そうやって慌ててするのですが、
それを機会に、
これとこれは毎年見る資料で必要なのだということが、
社長そのものも十分に理解できてくるようになると思いますので、
ぜひそのような形でやっていただければいいと思います。
活用法としては、
自分の会社はどんな力があるのかということも見えてくるでしょうし、
問題点がかなり浮き彫りになる。
それと、
日ごろ作っておくと、
何かのときに、
例えば先生がたのところに相談に行く、
あるいは弁護士のところに相談に行く、
「もうこういう状況で、何とかしたいけれどもどうだろう」
といったときにも、
自分で作った資料ですから、
資料の中身を全部説明できるわけです。
そういう資料を持って相談に行くことになると、
相談を受けたほうもすぐその場で一緒になってスタートが切れるので、
無駄な時間もなく、
スピーディに物事が解決できることになるのではないかと思います。
それから、
ここに赤い字でちょっときつい言葉を書きましたが、
会社のお葬式のシミュレーション。
今は生前にお葬式をやる人もいたりするようですが。
もう一つは、
会社の中身を全部表に出すという意味では、
デスクローズ経営の一つのツールとしても
活用していただくことができるのではないかと思います。
これらの資料は、
本当にいざとなったときには
弁護士が必ず必要とする資料ですから、
ぜひやっていただきたいと思います。
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posted by 寛良 at 12:47| 東京 ☁|
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◇清算貸借対照表の作り方と活用法
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