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リスク・カウンセラー奮闘記−167
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●『社会総合大学』卒業の高齢者の想いに添う
先日、トップセールスで評価されている生命保険会社の営業の方のご紹介で、今も現役で児童の社会福祉活動を続けておられる神奈川県に在住の85歳のご婦人にお会いし、不動産に関わる相続のご相談をお受けすることになりました。
そのご婦人は、太平洋戦争の終戦を厳寒の大陸で迎え、73年前のその日の出来事や、その後に『引き揚げ者』として日本の故郷の村に辿り着いてからの、決して平穏ではなかった自身と姉妹の絆を切々と語って下さいました。
お話しの中には、「もしもその出来事が私の身に起きたなら恐らく耐えられなかっただろう…」と感じられることばかり。
病身の姉への気遣いや、心配でならない障がいのある我が子に対する親としてやるべき事についても、あれこれと思いを巡らせ、かたときも気を緩めることもなく精神的に張り詰めているご様子。
苦境を乗り越え生きることへの執念と、ほとばしり出る智慧には、感嘆するばかりでありました。
ご婦人のこれまでのご苦労をねぎらう言葉を探していたら、わたしは社会総合大学で勉強させて貰ってきたからこれまで生きて来られたんだ…と、笑顔でサラッとお話しされていました。
ご婦人のお話しは人間味が深く理路整然として手順を踏んで物事に取り組んでいらした83年間の人生は、正に社会に学んでこられた体験こそ、社会総合大学と言われた所以なのだと受け止めました。
そのご婦人は、太平洋戦争の終戦を厳寒の大陸で迎え、73年前のその日の出来事や、その後に『引き揚げ者』として日本の故郷の村に辿り着いてからの、決して平穏ではなかった自身と姉妹の絆を切々と語って下さいました。
お話しの中には、「もしもその出来事が私の身に起きたなら恐らく耐えられなかっただろう…」と感じられることばかり。
病身の姉への気遣いや、心配でならない障がいのある我が子に対する親としてやるべき事についても、あれこれと思いを巡らせ、かたときも気を緩めることもなく精神的に張り詰めているご様子。
苦境を乗り越え生きることへの執念と、ほとばしり出る智慧には、感嘆するばかりでありました。
ご婦人のこれまでのご苦労をねぎらう言葉を探していたら、わたしは社会総合大学で勉強させて貰ってきたからこれまで生きて来られたんだ…と、笑顔でサラッとお話しされていました。
ご婦人のお話しは人間味が深く理路整然として手順を踏んで物事に取り組んでいらした83年間の人生は、正に社会に学んでこられた体験こそ、社会総合大学と言われた所以なのだと受け止めました。
●しかし…法は無情だ。法の不知は許さずの悔しさ
ご婦人の姉妹のひとりが、最近亡くなられたことで、思いがけなく相続が発生したのです。
当初、私が聞いていたのは7人兄弟のひとりが亡くなり相続が発生した。大陸から引き揚げてきた7人以外の相続人の話は全く話に出なかった。
ご婦人は、現在生存してる相続人は4人だというが、念のため戸籍謄本をご持参いただくようお伝えして、弁護士事務所にてお会いする事となりました。
預貯金と不動産を相続する為「相続人関係図」と「遺産分割協議書」が必要になるので、真正なる相続人を調査するにはすべての相続人を確定し全員の同意がなければなりません。
ご婦人は7人の内の病身の兄弟に遺された財産が相続されるようになれば良いと考えていたのですが、現実は、引き上げてから今日まで、助け合ってきた7人以外にも異母兄弟が8人も存在することが分かり、弁護士から説明を受けたご婦人の表情が厳しというか、悲しいというか…、一度も会ったこともない異母兄弟の親戚達にも財産が渡ってしまうことは、ご婦人には無情な宣告となったようだった。
もしかしたら…、未開封の自筆証書による遺言書が存在するかも知れない…、果たしてご婦人が期待するような内容なのだろうか…。ご婦人は、自分の子供たちにはこのような事態になることだけは避けたいと、ポツリと言葉にしていた。
(リスク・カウンセラー 細野孟士)
当初、私が聞いていたのは7人兄弟のひとりが亡くなり相続が発生した。大陸から引き揚げてきた7人以外の相続人の話は全く話に出なかった。
ご婦人は、現在生存してる相続人は4人だというが、念のため戸籍謄本をご持参いただくようお伝えして、弁護士事務所にてお会いする事となりました。
預貯金と不動産を相続する為「相続人関係図」と「遺産分割協議書」が必要になるので、真正なる相続人を調査するにはすべての相続人を確定し全員の同意がなければなりません。
ご婦人は7人の内の病身の兄弟に遺された財産が相続されるようになれば良いと考えていたのですが、現実は、引き上げてから今日まで、助け合ってきた7人以外にも異母兄弟が8人も存在することが分かり、弁護士から説明を受けたご婦人の表情が厳しというか、悲しいというか…、一度も会ったこともない異母兄弟の親戚達にも財産が渡ってしまうことは、ご婦人には無情な宣告となったようだった。
もしかしたら…、未開封の自筆証書による遺言書が存在するかも知れない…、果たしてご婦人が期待するような内容なのだろうか…。ご婦人は、自分の子供たちにはこのような事態になることだけは避けたいと、ポツリと言葉にしていた。
(リスク・カウンセラー 細野孟士)