2017年12月01日

国税がターゲットとする富裕層の基準

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リスクのクスリ
国税がターゲットとする富裕層の基準
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◆富裕層調査PTの人員を4倍増にしたわけ

 富裕層PT(プロジェクト・チーム)は東京、大阪、名古屋の各国税局に2014年に設置され、全国12の国税局に拡散され約2000人が司令塔役となって活動を始めている。
 タックスヘイブンの実態を暴いたパナマ文書などをきっかけに、資産隠しや国際的な租税回避に対応するための体制だと言われている。
 現在、16事務年度に(16年7月〜17年6月)の富裕層への調査は4188件で441億円の申告漏れがあったと言う。

【国税当局による富裕層の主な選考基準】
⑴有価証券の年間配当4000万円以上
⑵所有株式800万株(口)以上
⑶貸金の貸付元本が1億円以上
⑷貸家などの不動産所得が1億円以上
⑸所得合計が1億円以上
⑹譲渡所得及び山林所得の収入が10億円以上
⑺取得資産が4億円以上
⑻相続などの取得資産が5億円以上
⑼非上場株式の譲渡収入10億円以上又は上場株式   の譲渡所得が1億円以上かつ45歳以上の者
⑽継続的または大口の海外取引がある者または⑴〜⑼  の該当者で海外取引がある者
(日本経済新聞 平成29年12月1日朝刊より抜粋)

 国税庁内では、複雑困難な事案や創意工夫した事案を長官が表彰する制度があるようで、富裕層の租税回避にはますます厳しい目が向けられているようです。
 戦後からコツコツと資産を築き上げてきた中小企業の中には、数十億、数百億の所得隠しが発覚するなど、隠す側と調査により発見する側との「知恵比べ?」と言うことなのでしょうか?

◆海外移住で?富裕層だけが出来る不公平な租税回避

 富裕層と称する対象者は2万人を超えるともいわれるが所得が1億円を超える人だけでも約1万7千人、18年から始まる『預金へのマイナンバー付与』もこの調査の効果に一層貢献しそうであるが、節税目的で海外に資産を移して移住する富裕層もある。
 シンガポールなどの海外に移住することで、相続税や贈与税がかからなくなり、投資で得た分は非課税で、法人税率も20%未満となる。
 日本人の長期滞在者は16年10月時点で約3万5千人で4年前の30%増。
 国益に貢献した富裕層にとっては、国内外の企業との過酷な戦いの中で得た資産を、少しでも多く蓄え更なる事業の充実と拡大のための布石としたいのは経営者であれば当然のこと。
 不正な事業で得た利益でなければ、納税後の余剰資金を国が大切にお預かりしておいて、その企業が『イザという時』には、優先して還元できるようなシステムがあっても良いのではないだろうか?
 富裕層だから出来る手法として狙い撃ちをしていては経済活動に対する意欲を阻害する結果にならなければ良いのですが…。

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156-富永氏.jpg

【富 永  徹 也 氏 プロフィール】
▢一般社団法人 
  相続アドバンスト倶楽部   主宰 
▢JICA
  一 般社団法人相続診断協会パートナー
昭和45年−広島国税庁入局 平成16年-中京税務署・副所長 平成17年-大阪国税不服審判所副審判官 平成19年-大津税務署特別国税調査官 平成22年-堺税務署特別国税調査官 平成24年-退官 
  平成25年-富永てつ也税理士事務所設立 平成26年-一般社団法人相続アドバンスト倶楽部設立。 
 特別国税調査官としての実践を踏まえ、相続の現場から見える問題点をわかりやすく解説。特に相続専門家として資産家を守る「笑顔相続」の普及に努められています。
posted by 寛良 at 15:00| 東京 ☀| Comment(0) | ■【RFCレポート】リスクのクスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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