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これからのマンション購入は中古が主流?
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なるほど納得・・・・不動産!!……No.046 株式会社ありがとう・不動産
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首都圏において、中古マンションの成約戸数が新規に発売されるマンションの戸数を上回りました。以下のグラフのとおり、新築マンションの大量供給が終わってからも、中古マンションの成約戸数はじわじわと上昇し、2016年の統計結果が出たところ、とうとう逆転したことがわかりました。(不動産経済研究所公表「全国マンション市場動向」[新規発売戸数]および東日本不動産流通機構公表「首都圏不動産流通市場の動向」[中古マンション成約状況]より作成)
中古マンションの成約が増えたことは、空き家を減らすという国の政策も影響しているでしょうし、マンションの新規発売が減ったことは、人手不足などを理由とする建設費の高騰も影響しているでしょう。わたしは、先行きの不透明さから中古を選ぶ方が増えたことも理由のひとつではないかと考えています。
マンションを買う場合、現金で購入なさる方は少なく、ローンを組まれる方のほうが多いと思います。不動産会社の営業は、ローンをいくら借りることができるかという視点で話しますし、堅実な消費者は、ローンを無理なく返済していけるかを考えます。そして、さらに堅実な消費者は、いつでも自由に引っ越しができるかを考えます。たとえ終の棲家として買った家であっても、想定していなかったことが起きれば、引っ越しをする可能性があります。たとえば、購入から3年後に引っ越しをする必要が出てきた場合、マンションを売るか、貸すかを検討しなければなりません。3年後の時点で、いくらで売れる、または貸せるという評価がわかったとき、比べる数字は、ローン残高です。売却金額でローンを完済できる場合、または月々の家賃収入でローンを返済できる場合は何の問題もありません。問題なのは、住む家を売却したあともローンの返済が残る場合や、家賃収入にいくらか追加しなければ月々ローンを返済できない場合で、金額によっては、どう頑張っても経済的に引っ越せない状況にもなり得ます。ローン計画を立てた時点で、それ以降のローン残高はある程度予測できます。難しいのはマンションの評価額のほうです。
2015年の国勢調査で、日本の人口は減少に転じました。その後も世帯数は微増し、2025年の国勢調査あたりで世帯数が減少に転ずると推計されています(https://www.mlit.go.jp/common/001134002.pdf)。つまり、あと数年で世帯数が減少し、全国で必要とされる住宅戸数も減少に転じると見られています。その後の需要と供給のバランスがどう変わるかは、立地によって大きく変わってくると思われますが、これまでに経験したことのない状況なので、専門家であっても正確な予測ではできません。そういった先行きの不透明さから、評価額がすでに見えている中古マンションのほうが新築よりもリスクが低く見えるのは当然のことです。ローンを組んで家を購入する場合は、ぜひその先の家の評価額とローン残高の推移をイメージなさってみてください。