2017年08月01日

不動産は『負動産』にもなり得るという意識変化?

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不動産は『負動産』にもなり得るという意識変化?
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なるほど納得・・・・不動産!!……No.045   株式会社ありがとう・不動産
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 平成29年版の土地白書(http://www.mlit.go.jp/statistics/file000006.html)に掲載されていた、家計の土地に対する意識調査をご紹介します。

 以下のグラフは、『土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産か』という質問に対する回答を年度別にまとめたものです。平成5年度から平成28年度までのあいだに『そう思う』と答えた割合が61.8%から31.1%へと約半分になっています。そのいっぽう、『そうは思わない』と回答した割合が21.3%から42.1%へと約2倍の増加になっています。さらに、『そう思う』と回答した方に、土地が預貯金や株式に比べ有利な資産と考える理由を聞いたところ、平成28年度では「土地はいくら使っても物理的に滅失しない」と回答した方の割合が40.0%と最も高く、平成9年度以降、40%前後の高い割合で推移しています。同じく平成28年度の理由の2番目は、『土地は生活や生産に有用だ』(15.9%)で、平成7年度以降ほぼ横ばいで推移しています。

164-不動産グラフ.jpg

 上記のグラフから、一般消費者の意識変化が認められますが、これを不動産会社の目で見てみると、土地にも格差が生まれているように感じます。格差が生まれた原因のひとつは、土地に対する需要の変化だと考えます。過去には『生活や生産に有用』な土地だったのに、いまはそうでない土地が生まれているのではないでしょうか。総務省統計局発表の国勢調査(http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/final/pdf/01-08.pdf)によると、1960(昭和35)年の第一次産業従事者割合は32.7%、第二次産業では29.1%、第三次産業では38.2%でした。50年後にあたる2010(平成22)年では、第一次産業従事者割合は4.2%、第二次産業では25.2%、第三次産業では70.6%でした。50年のあいだに、第一次産業従事者割合は、約8分の1に減少しました。効率化によって従事者数が減った面もあるかもしれませんが、土地の需要も確実に減少しています。いっぽう第三次産業従事者割合はおよそ倍になっています。第三次産業は、第一次産業に比べ、ひとり当たりに必要な土地も少なく、かつ需要が集中する傾向があります。

 こうして土地の需要が減少した地域では、地価がさがり、さらに産業が衰退すれば税収も減り、交通網、電気、水道といったインフラを維持するコストが高くなって、『生活や生産に有用』な条件が揃わなくなることが見えてきます。そうなると、「土地はいくら使っても物理的に滅失しない」というメリットがデメリットに転じる可能性が生まれます。所有者の納税などの義務も消滅せず、いわゆる動産』になってしまいます。土地を所有する方々にとって、その土地がいつまで流通性を備えていられるか考えなければならない時代になり、それを消費者も意識するようになったということかもしれません。
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