【R.F.C+M レポート】第067号
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RISK&FINANTIAL−COUNSELOR REPORT
【RFCレポート 第067号】テキスト版
−2009.7.23−
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RISK&FINANTIAL−COUNSELOR REPORT
【RFCレポート 第067号】テキスト版
−2009.07.23−
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【ちょっと歳時記】
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公園の遊歩道に満開に咲く白粉花(オシロイバナ)は
江戸時代に日本に渡来した多年草です。
赤・緋紅・黄・白、オレンジ、絞り、複色、咲き分けなどがある。
別名は『夕化粧』というからどこか艶っぽい。
花言葉は「あなたを思う」「臆病」「小心」「内気」「信じられない恋」……だという。
何となく放ってはおけないような健気さを感じる花です。
細長く管のような萼の先がラッパのように大きく開き、
花の根本には秋になると5oほどの黒い種がつき、
種の中はオシロイのような粉が出てくることからつけられた名前のようです。
黄色の花の中心がピンクに色づいているのは、
伝えることができない淡い恋心を映し出しているとでもいうのでしょうか。
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リスクのクスリ
【 事業承継のタイミングは、経営が順調なときに実行する 】
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◆戦後復興を支えた中小企業経営者…そして
1ヶ月後の8月15日は、我が国における第64回の終戦記念日です。黙祷。
昭和20年(1945年)に終戦を迎えましたが、日本の戦後復興の原動力となったのは大手企業を支えてきた中小企業経営者であると言っても決して過言ではありません。
蒸気機関車が電車に代わり、今や新幹線は世界に誇る日本の技術の集大成として高く評価されています。真空管ラジオは、江崎博士が画期的な発見をしたダイオードによって一変し、その発明はエレクトロニクスの世界に偉大な貢献をしています。日本人が培ってきた伝統や文化は、石垣を築きあげる隙間石のようにそれぞれの企業が日本の経済を支えてきました。
その中で頑張ってきた中小零細企業経営者も、すでに60代、70代、80代となっても現役で頑張っている人も少なくありませんが、後期高齢者となっても事業意欲は衰えないものの、昨今のグローバル経済の荒波に翻弄され戸惑いを隠せない経営者の悲鳴も聞こえてくるのも現実です。
◆築いた財産と事業を残したいが……子供たちは
それなりの財を残したものの、同年代の周囲の人々に相続が発生するたびに聞かされる相続財産に絡む親族間の争いに、他人事ながら辟易としてしまう人間模様や、税制の関わる不条理さに腹立たしさを感じていました。
コツコツと小石を積み上げるような思いで続けてきた事業なのだから、子供が後を継いでくれるのなら嬉しいが、残した財産のことで子供たちが争いを起こすようなことになったのでは困っている。
妻や子供達にバランス良くちんと分けられるような財産であればいいのだか、それさえもしっかり把握できていなのが実情です。
税理士の話しによると、会社の株価を算定するとそれなりの財産になるので、早めに対策を立てておいた方がいいのだそうだが、財産と言われるほどのものはないと思う。
銀行の努めている長男は定年になったら会社を手伝うと言っているが、昨年、会社で倒れたことを心配して今では二男が現場に入ってくれている。
離婚した娘は「お父さん達が倒れたときには身の回りのことは私が看るから心配はしないでいいわよ……」と言ってくれている。
ある程度の財産があるが故に、このような悩みを持っている中小零細企業経営者は、これからも多くなることだろう。
◆事業承継のタイミング……お金がある時
中小零細企業経営者が廃業という選択肢を選ぶ件数は年々増加するとともに、経営者が高齢化してきたことは左図の通りである。
このままでは日本経済を支えてきた中小企業が減り続け、今までの中小企業をとりまく税制では、事業を後継者に引き継ぐことさえできなくなってしまう。 遅まきながら、そんな弊害を解決することを目的とした中小企業の事業承継のときの相続税の課税に一定の条件付きで適用できる事業承継税制として、平成20年10月に「中小企業経営円滑化法」が施行されました。
さらに平成21年度の改正をうけて、全国102ヶ所にある『事業承継支援センター』が本格的な活動をするようになってきています。
「事業承継税制」にはそれなりの特典がありますが、企業の経営資源の状況把握や債務などの経営リスク、そして肝心な後継者の育成についてなど、十分な時間をかけて準備をしておく必要があります。
また、経営が危ぶまれるような状態になってから事業承継問題に取り組んだところで、後継者にリスクを引き継がせるだけであり、してはならない事業承継で、本末転倒になってしまいます。経営者が病気で倒れてからでは遅いのです。
事業承継のタイミングは、経営者が健康であることと、事業の業績が順調であるときこそベストなのです。
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【 ソフト(定型システム)で衰退する創造性(脳)】
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●ソフト依存過剰で失う、問題意識と創造性
"ソフト"(ソフトウェア)が、あらゆる仕事の分野で、革新化と合理化に役立っている。
この文章もソフトがなければ、私のヘタな手書き文字で、関係者に迷惑をかけていることだ
ろう。右を見てもソフト、左を見てもソフト。我々の前後左右がソフトソフトで動いている。
ソフト充実のレジ係は、瞬時にして複雑な計算をこなし、釣り銭も出してくれる。
会計事務所では、会計ソフトが働き、設計事務所では設計ソフトが幅を利かせている。
しかし何事も、便利さの裏には“犠牲”になるものもある。その犠牲とは何か。
最近、ある中堅メーカーの決算書を、数期ぶん見せてもらった。「おや?」と思った。
ある年のある時期の電話料が、通常の倍近くにはね上がっていたからだ。
この事実を頭に入れて、さらにB/SやP/Lを見ていると、翌期の利益が急減しているのである。
そこで私は、そういう尋常ではない数字のウラを考えた。
「これだけ電話代が急増した背景には、現場でトラブルが発生し、納品に問題が波及して、
そのトラブル処理のための電話代ではないのか?」
経理課の人間に聞いてもラチがあかない。
工場長に会うことにした。そのとき私は、この会社に隠ぺい体質のあることを知っていたから、工場長との面談にも、ある手を使うことにした。「まともな質問では、工場長から真実を引き出すことはできない」と思ったからだ。私は、こんな語り掛けをした。
「しかし去年のいま頃は、工場も思わぬトラブルで、大変だったらしいですね」すると、「トラブルのこと、お聞きになったんですか?」と工場長。
この戻り質問で、トラブルがあったことは、間違いないと確信した。
ところが、会計ソフトに依存した経理ベテランの中には、私のように「おや?」と思う人は意外に少ない。
経理のベテラン、じつは経理“事務”のベテランに陥っているのだ。
●ソフトに依存、使わない脳は退化する
私が感じた「おや?」を切っ掛けにして、この会社で作っている「コン柱養生管」(コンクリート柱を養生する圧力養生管)が、特許侵害の疑惑で、他社による告訴を受けていたことがわかったのである。
しかもその対応もまずい上に、再発防止策も甘いもので、私はその処置に半年もかかった。
私が、「おや?」と思った組織の不祥事を、もう一つ紹介しよう。
ある会社(本社・名古屋)の社長と、大阪営業所に出かけた。
経理事務員が、営業車両の給油伝票を集計していた。伝票には車両ナンバーも書いてある。
私はごく自然な仕事感覚で、「まさか、よその車両は紛れ込んではいないでしょうね」と尋ねた。この一言で事務員は、車両ナンバーを確認したらしい。
やがてわかったことは、営業所長自身がマイカーの給油まで、紛れ込ませて社費で給油していたことが判明した。
そして、この給油問題を切っ掛けにして、所長の汚職まで表に出てきたものだ。最後には解雇をしたが、本社の経理課長のアタマが、ソフト依存で形骸化していたものだから、毎月本社に届く給油伝票を手にしても、何もチェックできないでいたのである。
世間には、覚えていて当然の電話番号も、記憶していない人が多い。携帯の記憶機能に依存するからだ。ソフト依存の裏返しというべきか。
会計ソフトも同様で、ソフトに依存すると、“行間に潜む異常”も読めなくなるようだ。
何事もそうだが、"使わない機能は衰える"という「廃用性萎縮」で、問題意識や創造性が怠け、しだいに能力が退化するようだ。ご用心ご用心!
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=不動産賃貸オーナーの悩み=
もしも入居テナントが破産したら…
不動産コーディネーター 豊田泰幸
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◆契約更新で賃料の値下げ要求
昨年9月のリーマン・ショックが報道されてから間もなく、貸しビルの入居者・輸入雑貨販売会社のA社長から賃料の値下げを要求された。
資金繰りが一気に悪化し、このままでは倒産しかねないと、現行賃料から20%の値下げをして欲しいと 入居してから20年以上のテナントのA社長から平身低頭の様で懇願されては何とかしてあげたい。
2年後には現行賃料に値下げ分をプラスして支払ことで相互に納得し、賃料が遅れることなく9ヶ月が過ぎた。
◆裁判所から届いた一通の書簡
ある日、裁判所から特別送達が届いた。その文書は、A社長の会社が倒産したという破産管財人からの通知だった。
オーナーは早速A社長に連絡をいれたが、事務所には破産管財人の「通知書」が張られ、ビルオーナーといえども中に入ることができない。
いつになったら明け渡してもらえるのか、「原状回復費用」の精算のことも気になった。入居時に預かっていた「入居保証金」は賃料の5ヶ月分だけなので、長期間にわたって入居していたことと、大幅な内装改造をしているので「原状回復費用」だけでも家賃の5ヶ月分を超えてしまうことは明らかだった。
一日でも早く明け渡してもらって、次のテナント募集をし空室を埋めなければ、オーナーの資金繰りにも影響が出てくる。
慌てて「賃貸借契約書」を読み直してみると「契約解除」の条項に賃貸人が破産した場合のことがしっかり記述されていた。ビルオーナーは「新破産法」により、賃貸人側から一方的に解除をすることはできないと聞いていたが、直ちに「契約解除」の通知を出して明け渡しの文書を管財人に送ることにした。
破産法53条2項により、破産管財人に対し相当の期間を定めて契約解除か続行かを回答することを催告することができる。
また、破産管財人が、期間内にビルオーナーに対してどうするかの回答してこなかった場合には契約解除が成立したことになる。賃貸人から契約解除をすることはできないが、賃借人(破産管財人)からは契約解除ができるというのは、ビルオーナーとしては不条理なことと思ったが、とりあえず、内容証明の送達手続きをした。
◆破産管財人と対立する原状回復費用
管財人からの通知では、明け渡し時期は最低でも4ヶ月後になるのでその時点で契約解除だという。
オーナーが気になる「原状回復」については、何ら回答がない。
書類、備品、商品、が搬出されなければ室内の原状回復改装工事(スケルトン)に着工することができないし、ビル壁面の大型看板の撤去だけでも数百万円かかることは業者の見積書によって分かっている。室内の原状回復と合わせると1千万円をはるかに超える。
預かり保証金は解約時に20%の償却をすることになっているので、償却後の残金より原状回復費用の金額の方が800万円も上回ってしまう。本当に大丈夫なのだろうか。
3ヶ月後、破産管財人から明け渡しが完了したとの連絡があったので現場に行ったが、備品と商品類を搬出しただけで、室内はスケルトンになっていないではないか。
破産管財人の見解では室内には何も残っていないので「原状回復」は完了したという。交渉したが「破産財団」にはお金がない。
申し訳ないが「未収賃料」と一緒に「債権の届け出」をしてくれとの回答だった。これは困った……。
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【World Now 】
=不適切であった米国の政策金利と金融危機の関係=
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今月ご紹介する本「Getting off Track」では、米国が引き金になった今回の金融危機の原因はなにか、金融危機がここまで長引いたのはなぜか、今回の経験を踏まえて今後どのようにすべきかが考察されています。
その内容は政府がとった介入などに対して批判的であるだけに、実証的分析を実施し裏づけが提示されています。
この著者ジョン・テーラーはスタンフォード大学の教授であり、テーラー・ルール(政策金利の適正水準を算出するための式)という法則の発見者です。
米国の住宅バブルの前、政策金利はこのテーラー・ルールから大きく乖離した状態が続いていました。乖離幅は、3%以上になり、期間も数年にわたっています。
その乖離状態は、ユーロ圏や日本の状況と比較すると、著しい乖離であったことがわかります。(「図1 各国の中央銀行のテーラー・ルールからの乖離幅」参照。出所:IMF(2009), "Global Economic Policies and Prospects," presented note at G20, March, 2009.)
これにより、住宅着工数が大幅に増え住宅バブルが大きく膨らみ、そのバブルがはじけた影響も大きくなったと著者は主張します。
つまり、政策金利であるフェデラルファンド・レートが適正であれば、住宅バブルはもっと緩やかであり、その影響も少なかったはずだと述べられています。
では、具体的にどの程度緩やかになったのかはモデルを構築して算出しています。
それが「図2 金融政策ルールに沿った政策金利の場合の米国住宅着工戸数と実際」(出所:John B. Taylor (2008), “The Financial Crisis and the Policy Responses : An Empirical Analysis of What Went Wrong,” Written version of keynote at Bank of Canada, November 2008)です。
しかし、政策金利の失態はこれだけに留まりませんでした。住宅バブルから2007年8月にサブプライム問題が発覚するまでのあいだに、政策金利は5.25%まで上昇していました。米国はそれを2008年4月までに2%まで落としました。
この下落スピードも、テーラー・ルールを基準として考えると急激過ぎたのです。それによって原油価格が高騰しました。金利の急激な下落によって行き場を失った投資資金が原油に流れ込み、急速に原油価格が上昇しました。
産業にとって必要不可欠な原油が高騰すれば、景気回復の足かせになることは必至です。景気対策としての金利引き下げが裏目に出てしまいました。
テーラーは、モデルを使った実証は絶対ではないと言います。しかし、これだけ理論や技術が発展した現代では、もう少し慎重に裏づけをとる必要があるのではないかと提言しています。
次回は、金利以外に不適切であった事柄のなかから、日本の政策にも関わる問題をご紹介したいと思います。
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【リスクカウンセラー奮闘記−62】
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●経営危機が続き経営者が緊急入院…そして
半年ほど前に大病を患い、九死に一生を得たと言う相談者の目は、大きな試練を乗り越えた力強ささえ感じさせるものがあります。
それは、ある日突然ガンや脳梗塞という崖っぷちに立たされ、家族に守られながら一命を取り留めたという生還体験が些細なことでは動じない精神力を育てたように思えます。
病に倒れるまでは、もしかしたらそうなるかもしれないと思いつつ、自分が倒れるわけにはいかないと頑張ってきたと回顧し語ってくれる。
資金繰りで苦しかったとき、生命保険を解約することを真っ先に考えたけど、とりあえず契約者貸付で借りられる限度いっぱいに融資を受けて切り抜けてきたことが何よりも幸いしたという。
一度大病を経験した経営者だけに、本人もご家族も“生命保険”の解約だけはしないようにしたいというのは当然のことだろう。
生還した社長は、自分の身体に爆弾を抱えた状態で、命と引き替えに再び経営を続けて行く気は毛頭ないと寂しげにつぶやく。
でも、どうしたら家族、社員と取引先に迷惑をかけないで会社を閉じられるかが頭の痛いところだが、税理士に相談してもその手順がわからないという。
●高額入院費を支えてくれた生命保険……続けたい
会社を閉じたいと言っても、スクリーニングの結果で債務超過額は2億円を超えている。9割減となった売上の現況では、いまさら後を引き継ぐ社員もいるわけではない。売上の激減により売掛金が入金するアテもなく、このままズルズルとしているわけにはいかない。
弁護士に依頼して破産を申し立てるにしても、数百万円の資金(弁護士費用と予納金)を準備しなければならない。それだけではない。社員にも退職予告金ぐらいは支払ってあげたい。創立当初から支えてくれた外注先にも過大な迷惑をかけたくない。
会社で契約をしていた生命保険を解約して「破産申立費用」を捻出することにした。
弁護士に依頼して破算の申し立てをすると、裁判所が破産管財人を決定することになる。
会社と会社の保証債務を負っている社長個人の債務整理に当たる破算管財人は、売掛金、生命保険、不動産、そして他のすべての資産を現金に換えて、債権者に配当すると聞いていた。
しかし、自分が病に倒れたときに“高額医療費”を支えてくれた“生命保険”だけは、なんとかそのまま継続したいと訴える。
なぜならば、それは致命的な“既往症”がある自分は、新たに生命保険に加入することが困難になってしまうからだ。
すでに生活費や資金繰りのために生命保険会社から“契約者貸付”で借り入れを繰り返していたので解約したところで“解約返戻金”は数万円程度しか戻らない。一度でも病に倒れた人だったら分かるはずだ。保険は解約したくない。
●管財人は生命保険を解約すると言っていたが……
破産管財人は全ての保険を解約すると言っていたが、人道的に考えてもおかしい。破産者だから何もかも事由にならないなんて納得できない。
申し立てをお願いした弁護士に相談して、管財人に対し自分のおかれた事情を説明してもらった。その結果、解約返戻金と同額を“破産財団”に妻の名義で振り込んでくれれば“保険証券”は返還してもらえることとなった。
破産となった今、全ての財産は破産管財人が換価処分して“破産財団”に入れるというのは十分理解ができるが、何度か“契約者貸付制度”を利用し、数十万円単位で借り入れしたときの使途を報告しなければならないのにも驚いた。
「自分のお金を何処に支払おうと私の勝手だ……」と自分が犯罪者扱いを受けたような気がして大いに不満だったが、リスクカウンセラーから「これは“詐害行為”がなかったかを調べるための管財人の仕事……」と説明を受け、一応納得はしたのだが、できることならば、破産はしない方がいいとつくづくそう思った。
●管財人も人の子……人間味だけは大切にして欲しい
相談者の健康状態を気遣う立場で寄り添っていると、破産管財人の言葉の一つ一つは破産者の精神状態にどのような影響を与えているかが気がかりでなりません。
ですから、弁護士との会話や管財人との会話のなかであらかじめ想定できることは、できるだけ事前に説明しておくようにしています。管財人も老若男女、経験年数、生い立ち、個人の能力や人間性など百人百色ですから、破産者への対応が異なるのはやむを得ないことなのかも知れません。
今までお会いした人で、好んで“破産者”になった人は一人もいませんでした。必死に頑張りすぎたが故に生んでしまった結果です。
人間味のある暖かい言葉は、弱者が強く生きるための大きなパワーとなるのです。管財人が話す言葉は本人が感じている以上に重いのです。
最期に免責決定を伝えるときの言葉は、弱者を救う黄金の輝きであって欲しいものです。
~~*~~*~~*~~*~~*~~*~
コーヒーブレイク
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▲ 世の中には、作ろうとしてもできないモノがある。
家庭菜園の鉢植えの“茄子”は何とも不思議な形をしていました。
無農薬で栽培した茄子だから農薬による奇形ではないのです。
観る人によってさまざまな連想をさせる話題の茄子です。
貴方はいかがですか?天狗の鼻?それとも…?
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【ありがとうの思い出−18】
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精神疾患の青年との貴重な出逢いを下さった税理士の村上康夫先生、ありがとうございました。
いまから三年前の秋頃でした。村上先生からご連絡があり「相談したい方がいるので会ってほしい」とのことで、すでに喜寿を過ぎた上品なご婦人とお引き合わせいただきました。
「近々病院から退院することになっている息子の“任意後見人”を探してていただけないか」というご相談でした。
その青年は精神的に病んでおられ、一七歳の時から三十数回の入退院を繰り返しているとのことで、とりわけご高齢のご婦人にとっては体力も気力も限界がきていて、その心労たるやいかばかりのことかと思うと、心が痛む思いでした。
それから二週間ほど精神科の専門家を含め五人ほどの知人に相談しましたが引き受けて下さる人がいなく、先生にお断りの電話をしたら「貴方がなってくれないか」ということになり、“病人をもつご家族の大変さ”を体験させていただけのも何かのご縁と、お引き受けすることになりました。
それは、私にとって今までにない貴重な体験のはじまりでした。
病院を退院するまでの半年間は、青年との信頼関係を築き上げる時間でした。毎日のようにかかってくる青年からの電話は心の叫び声であり、薬漬けになっている自分の肉体をもてあましつつ、仕事に就けない口惜しさを訴え続けていました。
電話での連絡は、退院後もエスカレートし、それは早朝であったり、深夜であったりしましたが、青年との交流が深まるにつれ緩やかなながら言動に変化が現れました。
冷静さを取り戻した青年の眼は活き活きと輝きはじめ、大きな感動をでした。
母の愛情を求める息子と、病める息子を愛惜しむ母心の葛藤は、歳老いた母の命がある限り彩なす人生模様は、多くのことを教えてくれています。すばらしいご縁をいただきありがとうございました。
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【ホロニック】
(英:Holonic)全体(ホロス)と個(オン)の合成語。
すなわち組織と個人が有機的に結びつき全体も個人も生かすような形態を言う。
生物は個々の組織が自主的に活動すると同時に独自の機能を発揮する一方で
そうした個が調和して全体を構成する
(小学館「カタカナ語の事典」より)
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◆暮らしと経営のカウンセリングルーム◆
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◆エフピーカウンセラー
・相続のトラブルが心配だ。事前に解決しておきたい!
・暮らしの中の経済問題を聴いて欲しい!
・近隣との不動産のもめごとを上手に解決したい!
・親戚・家族間のトラブルの悩みを聴いて欲しい!
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◆リスク・カウンセラー
・家庭経済の危機を乗り切る方法を相談したい・・・
・会社も自分も債務超過になりパニック状態を解決したい・・・
・会社の経営が行き詰まりそうだ・・・何とか再生させたい!
・会社の上手な終わり方なんてあるの?
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「ホロニックス・専門家ネットワーク」を有機的に
活用して問題の解決に当たっていますので、幅広い分
野で対応いたします。
トラブルは、時間を掛けて一人で悩んでいたも事態
は悪化するばかりです。
問題解決の近道は「早期発見」「早期対応」が要諦
です。悩みごとは先送りせず、早めにご相談ください。
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