【R.F.C+M レポート】第066号
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RISK&FINANTIAL−COUNSELOR REPORT
【RFCレポート 第066号】テキスト版
−2009.6.20−
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RISK&FINANTIAL−COUNSELOR REPORT
【RFCレポート 第066号】テキスト版
−2009.06.20−
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【ちょっと歳時記】
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梅雨の季節はいろどりが豊富なアジサイの花と、誘うように甘い香りを放つ白いコーディロイ状の花弁の梔子(くちなし)が散歩を楽しいものにさせてくれます。子供の頃に庭にあったクチナシは、アカネ科の常緑性低木です。
秋になると赤黄色の実が熟しますが、熟しても口を開かないから「くちなし」と名付けられたということです。乾燥したクチナシの実は、黄色の自然着色料として料理に利用されていて、正月料理の栗キントン、沢庵漬、麺やお菓子の色づけに使っていた母の割烹着姿を思い出します。
♪〜いまでは指輪もまわるほど、やせてやつれた〜おまえのうわさ〜〜渡哲也の歌声が、甘い香りと相まってどこからともなく聞こえてくるような感覚になるのはなぜでしょう。
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リスクのクスリ
【 拡(大)縮(小)自在な経営者に学ぶこと 】
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◆資金繰りができず……決済が滞ると……
資金繰りが苦しくなって決済資金が調達できなくなると、仕入ができなくなることを恐れ、あるいは、銀行融資を受けられなくなってしまうと不安になる。
しかし、なぜか商品の回転効率を高めたり、売掛金の回収を早めて貰うという行動に出ることよりも、最も安易な方法ではあるが親族からの借入をして身内の中で資金繰りをする経営者が多い。それは食べてはならない禁断の果実で、やがて想像を絶するいまわしい結果を招くことになる「恩借り借金」なのだ。
しっかりした返済の予定が立っていないのにその場凌ぎの話を作り上げて同情を買い、騙すつもりではなく騙す結果となる「恩借り借金」を繰り返すことは、経営者として絶対にやってはならない大罪なのだ。
経営者は、会社経営の中で生じたトラブルは会社に関係している利害関係者に働きかけて解決の道を導きだすことでなければならず、家族を含む親族や友人などにその鉾先を向けるのは誤りであることに気づかなければなりません。
経営者が資金繰りにつまづいたとき、多くの場合、「攻める経営」から「守る経営」にかわり、やがて「逃げる経営」へと転じていく場合が多いのですが、“逃げる経営”ではなく「退く経営」であるべきではないでしょうか。
◆早期に「退く経営」に気づけば再起の道が拓ける
“逃げる経営”とは、何もかも見境もなく放り投げて、一目散にその場から遠ざかることで、自分を支えてきてくれた恩ある人々に対しても、今までの恩義をアダで返したことにさえ気づかない経営者がしている経営のことで、そんな“自己中心的”な経営者の行動に呆れる人はいても支持する人は離れてしまう。
“退く経営”とは、あきらかに再起できることを担保できるような経営戦略の一つであり“拡縮自在”にコントロールできる余裕をもって経営に当たることであり、時にはすすんで“自己”を捨てることを恐れず、礼節を重んじて利害関係者と接し“家族を守る”精神を何よりも優先して経営に当たることなのです。
“家族を守る経営”を実践する経営者とは、城が炎上することを予期して事前に家族を城外に逃がすだけの余裕をもっている城主。
兵糧を食い尽くして餓死寸前の決死の戦いに挑むこと避け、潔い身の処し方によって、家臣たちを無駄死にさせない度量をもつことを真義としなければなりません。
◆“埋蔵金”ならぬ…「受給権」という資産
共に働いてきた社員たちの行く末を見とどけた後は、残された課題は“家族を守る”という具体的な“新しい生活”と堅実な“経営再起”になるのですが、債務超過により破産ということになれば、基本的にはすべての財産は破産管財人の手によって換価され、管財人の諸経費を控除した後の現金は、債権者に対して一定のルールにより配当されるのです。
そのとき、債務者の現預金、不動産、会員権、生命保険積立金、有価証券など、一部の例外を除いてほとんどの財産が、解約されたり売却されて換価(現金化)されてしまいます。
債務者が必死に隠そうとしても、破産管財人に2年間分の預貯金の通帳を提出しなければならないので、過去のお金の流れは、すべてが露呈するといっていいでしょう。また、債務者宛に届いた郵便物のすべては管財人の手元に転送され開封してその内容を確認することになっていますので、配当金、保険会社の控除証明書、会員権の案内などにより、本人が申告していなかった資産が見えてきます。債務者が“資産の隠蔽工作”をしていると判断されると、「免責不適格」となることさえありますから、誤った判断は禁物です。
ところが、人によっては差し押さえられない財産があるのです。それは「公的年金」と「受給権」などです。 気をつけなければならないのは、「公的年金」と違って生命保険会社に積み立てている“個人年金”や“簡易保険”は、金融機関の預金と同一の扱いとなりますから、免れることはできません。
「受給権」とは“中小企業共済事業団”に月払いや一括払いで積み立てていた共済掛金の受給を受けられる権利のことで、受給を受けない状態でいればその権利に対して差押をすることはできないということです。
但し、受給を受けてひとたび預金通帳に入金されたお金は、他の預貯金と同様の扱いになり差押されてしまいますから、免責が決定した後に受給を受けるようにした方が良いようです。
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【 “漢検に受験の価値なし”と言われる真の意味 】
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●人気作家は漢字の使用を控えた
“戸川猪佐武“(1983年、59歳で急逝)という政治作家がいた。
時の首相、吉田茂から鈴木善幸に至るまでの、保守政界をドラマティックに描いた「小説吉田学校」全8巻は、特に好評が広がり、多くの政治家たちにも支持され、"政治作家"の地位を不動のものにした、と言われた人である。
その戸川は元気な頃、漢字について随筆に書いている。
「ぼくは、やむをえぬ時以外は、各センテンスの最初の文字は、漢字を使わずに"ひらがな"にしている。そのほうが読み手の抵抗感を少なくできると思うからだ……」
繊細な神経ではないか。読者を獲得する書き手の神経や配慮は、並みの人間とは違う。
さて漢字といえば、例の日本漢字能力検定協会(漢検)による検定のことだ。
この漢検の検定に、高い価値感を抱く人の中には、戸川さんとは逆に、「私は各センテンスの最初の文字は、なるべく漢字を使うようにしている」と語るかも知れない。
ところで、立命館大学の加地伸行教授はある新聞に、「"漢検"に受験の価値なし」と題して書いている。漢字を知っているかどうかの、「知識テストに過ぎない」というのである。
「結論から先に言おう。(問題は)ほとんど意味のない出題である。もちろん受験するだけの価値はない。漢字を通じて物事を考えるという、国語力の養成につながるものでもない」
ところで最近、都内の桜田門付近を歩いていたら、国交省が看板を出していた。
「路上の掘り返しをへらすために、共同溝をつくっています」
"減らす"ではなく「へらす」と書き、"作って"と書かずに「つくって」と書いている。
漢字より親しみやすく、子どもにも読めるようにという配慮であろう。
ただ、むずかしい漢字を多く知っているより、漢字ひとつを考えるにしても、相手や周囲の人のことを考える共感生や、思いやりこそ大切なのではなかろうか。
●釜に"お"をつけてはいけない
私は、かぞえきれないほど多くの管理監督者を指導をしてきて、痛感したことがある。
1.自分の会社の、郵便番号と代表電話番号を 覚えていない。
2.自社の社長の名前を、正確に書けない。
3.文章表現力が非常に貧弱である。
4.書き言葉と話し言葉を、チャンポンにして 平気である。
5.無理して漢字を使おうとして、適切な表現 を損なっている。
以上は、管理監督者の多くに共通する問題点の一部である。
たとえば、例題(ケース)を示して、「礼状を書きなさい」といって、模擬ハガキを渡す。
合格圏内に入る人は、いつも5%もいない少なさである。
たまに、手紙やハガキをもらう。すると「すいません」という言葉に頻繁にお目にかかる。
話し言葉では、「すみません」が「すいません」という発音になる人は多い。
だからといって「すいません」が「すみません」を意味する言葉ではない。だいぶ以前のことだが、電気ポットをテレビCMでPRした会社があった。
起用されたのは、有名野球選手の奥さんたち。思わず笑ったのは、「うちでも、このおポットを重宝しています」としゃべった、ある奥さん。ポットはポットであり、"お"は似合わない。
釜におをつけたら"オカマ"になることを考えれば、似合うかどうかわかるではないか。
1年ほど前に、「謹啓 時下秋冷の砌(みぎり)……」という挨拶文が、某社から届いた。起草した人がことのほか漢字が好きだったか、それとも昭和初期の物言いにとらえられていたのだろう。
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=商品としての不動産=
中古住宅の流通を考えた不動産の所有
不動産コーディネーター 豊田泰幸
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◆中古住宅流通の最近事情
中古住宅を販売する場合、購入者がハウスメーカーや建売業者であった場合、建築後10年を過ぎた建物は殆どの場合建て替えて新築住宅として販売される。
また、初めて住宅を取得する人の傾向として、中古住宅を購入するよりも、長期の住宅ローンを受けやすい、新築住宅を購入する傾向にあることも事実です。
欧米では、中古住宅の流通が確立していて、個人の意識が中古住宅を買い換えることを考慮して、自己所有の住宅に対するメンテナンスの大切さを知っているから、住宅の手入れ方法を誰もが知っているのです。
売ることを前提にして中古住宅を購入しているのですから、今までの日本の住宅事情とは大きく違っていました。
近年、日本における中古住宅の流通は、47万戸を超えようとしているデータがあります。
同時に、貸家や社宅を除いた新築住宅は約60万戸だということです。
業界の予測では、5〜6年後には中古、新築の流通が、それぞれが約50万戸になるというのだから、必ずしも新築住宅にこだわらなくても、それなりの中古住宅が購入できるような社会になる時代が到来するようです。
◆一生に3軒の家を建てると言うが…
昔から「一生のうちに3軒の家を建てなければ満足した家は建てられない」と言われてきましたが、建物が高層住宅になったり、経済的な背景が大きな変化を遂げている昨今の住宅事情から「住宅=自己所有」というような、必ずしも個人の嗜好がふんだんに取り入れられている住宅が快適だとは言い切れないのかも知れません。
3世帯同居が希有に近い状況や、核家族化、若年層の転勤居住、などの社会情勢の変化は、その地に永久に住み続ける時代から、仕事や家族構成の変化に対応出来るような柔軟な発想をそれぞれの人が持ち、新たなコミニティーに参加しやすい住環境の変化を受け入れていかなければならないのかも知れません。
◆市場流通性の高い住宅とは……
住み慣れた自宅を売却するお手伝いをしていて気づくのは、筑後10〜15年の住宅であればまだまだ十分使えるはずのモノなのに、住宅の手入れが十分に行き届いていないため、すでにボロボロになっていることがかなり見かけます。
台所が油だらけでベトベトであったり、開かずの間には使用しない家具、新聞紙、段ボールが積まれ、風通しが悪くカビだらけの倉庫のようになっていたりするのを拝見すると、がっかりすることさえあります。
きちんと整理、整頓、清掃、整備が行き届いていれば快適なはずの住宅なのに、捨てられないゴミが建物までをも「ゴミ化」しているようでは、余りにも建物がかわいそうです。
建物がゴミ扱いにならないようにすることは、決して難しいことではありません。
住宅を手放さすときに、価値の高い中古住宅として次の購入者が喜んで使用できるような住宅こそ、環境に優しい「エコの時代」に生きる社会人としてふさわしい考え方ではないでしょうか。
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【World Now 】
=米国の金融危機発生による個人破産への影響は?=
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米自動車業界のビッグ・スリーが、相次いで米国連邦破産法第11章を申請したことから、いまや日本人にとっても連邦破産法は日常的に耳にする法律になりました。
実はこの米国連邦破産法は、2005年に大改正されています。1978年以来27年ぶりの大幅見直しでした。
「The New Bankruptcy Will It Work for You?」によると、主な変更点は、次のようなものです。
@ 破産申請前6ヶ月間の収入平均が、州ごとの収入から計算された中位より多い場合、無担保債務が基本的に免除される第7章ではなく、債務の一部を5年(あるいは3年)掛けて返済する第13章での申請を検討しなければならない。
A 差し押さえ禁止資産は州ごとに条件が異なるが、破産申請前に2年住んだ州の条件を適用しなければならない。
B 第7章を申請するにしても、第13章を申請するにしても、クレジット・カウンセリングを受けなければならない。
@により、事業ではなく個人消費で発生した債務は、法改正前より免責されにくくなりました。見込まれる収入から生活費用を差し引き、110ドル以上の余裕があれば、裁判所に提出する返済計画を考える必要があります。生活費用は、州ごとに決められた額になるため贅沢に使う費用は認められません。
Aにより、破産のために条件の有利な州に引っ越すということができなくなりました。
差し押さえ禁止資産とは、債務返済に充てることなく持ち続けることができる資産のことです。基本的に、車や家などが対象になりますが、その条件はまちまちで、住むための家であれば債務返済に充てずに済む州もあれば、家を所有することができない州もあります。
Bにより、本当に破産申請しなければならないかの相談が義務づけられます。
これらの変更点からもわかるように、2005年の改正は個人による破産法の濫用を防ぐことが目的でした。
極力債務の返済を促すかたちになっています。これにより、法改正直前に駆け込み破産が発生しましたが、法改正後、破産は減少しました。
そこへ昨年からの金融危機です。
破産の申請は再び増えています。
2009年4月の個人消費者の申請は125,618件でした。これは、前年同月比の36%増になり、前月比の3.5%増になります。
2009年5月は124,838 件で、前年同月比の37%増です。
これらの増加率は、2005年10月に実施された破産法大幅改正直前と同程度です。(2005年4月に改正法案が通過したため、同年7月〜9月の申請件数は過去最高になり前年同時期比の増加率は36.7%になりました。)
また、この数字を発表したAmerican Bankruptcy Instituteは2009年の申請件数は140万件を超えると予想しています。
ちなみに、2005年にされた法改正直前の一年間の申請件数は、1,748,421件でした。
つまり、法改正により減少に転じた申請件数が再び以前の水準に戻る可能性もでてきたわけです。
個人が安易に破産法に頼るのは間違っています。
しかし、それ以上に金融システムが健全であることがより大切だと、今回の金融危機が教えてくれたのではないでしょうか。
今話題の米国による金融規制改革案など、市場健全化に向けた動きに注目したいと思います。
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【リスクカウンセラー奮闘記−61】
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●ガン、糖尿病、認知症にならない保証はない
会社経営に行き詰まって相談にいらっしゃる経営者の8割ぐらいの方が、半年〜1年ぐらい前に入院していたというのは、経営難が経営者に心身をむしばんでいたことに他ならないことを裏付けているように思います。
糖尿病、胃ガン、大腸ガン、脳溢血、などの手術をうけて、「ようやく体力を取り戻してきた。しかし、これ以上、会社経営を続けるだけの自信がない……」と寂しそうに話しをされます。
「頑張れるだけ頑張ってきたから、これでは周りに迷惑をかけるだけだから会社は整理したい……。しかし、女房のために、保険は継続しておきたい……」
と、入院中に会社経営と家族とのあり方について、様々なことを考えていたのだという。
また、高齢の経営者の場合は、認知症の気配を感じると一緒にいらした家族の方が心配しておられるケースもあります。
認知症は、高齢化による単なる「もの忘れ」とは違い、いくつかの認知障害によって、社会での生活に支障をきたす状態をいいますが、「アルツハイマー型認知症」と、脳の動脈硬化からくる血管障害で細胞が死滅する「脳血管性認知症」があります。
最近では、それらの「混合型」や「ピック病」「若年性アルツハイマー型認知症」などもあり、現在では認知症を完治させる薬や治療法がないだけに心配でなりません。でも「運動」「食事」「学習」「環境」などにより、それなりの予防が可能なことが解明されつつという情報もあり、経営者も家族も、誰もが患者になるかも知れないことを十分に認識した上で会社経営に当たるべきではないでしようか。
●介護を受ける人……介護に携わる人
隆々と会社経営を続けてきた経営者が突然倒れ、余儀なく車椅子の生活をすることになったときのことを想定している経営者はどれだけいるのでしょうか。
今の元気な状態がいつまでも続くなんて100%あり得ないことなのに、その重大なリスクを考慮したうえで経営指導をしているコンサルタントや税理士がどれだけいるのでしょうか。
資産を減らしてしまうより増える方の指導をすることは、その時の支持は得られるかも知れませんが、経営を大局的にとらえた場合に、将来を見据えた経営者や家族の一人ひとりに対し、経営指数には表現することが出来ない「人の尊厳」に関わる大切な考え方を提供して差し上げて欲しいと思います。
もしも貴方が、介護を受けなければ生きていけない状況になってしまったとき、介護をして下さる人に対して、何を、どんな手段で訴えることが出来るのでしょうか。
ある介護士の方が、お年寄りからオシッコがしたいと言われトイレに連れて行ったけど、15分以上待っていたけどオシッコは出なかったので部屋に戻ってきたというのです。それから15分後に、再びオシッコがしたいと言われトイレに連れて行ったけど先ほどと同様の結果だったのだそうです。そしてまた……。結局4回とも同じ結果だったそうです。
そして5回目のとき「またか……」という思いで「オシメもしているし…」と聞き流そうとしていたら、ベテランの介護士の方が気がついてトイレに連れて行こうとしたので「今までに4回も行ったけど出なかったので……」と言うと「おじいちゃんが行きたいと言ってらっしゃるのだからトイレに行きましょう……」と、すると、5回目の時にオシッコが出たことをおじいちゃんがとても喜んでいた……のを見て「おじいちゃんは、よほどオシメにオシッコをしたくなかったのでしょうね……」と、身勝手な判断をしていた自分を恥ずかしく思ったと、私に話してくれました。誰にでもありがちなことですね。
“身勝手な判断”を相手に押しつけていることがないか、自分なりに振り返ってみたいとしみじみ考えさせられました。
●介護従事者は天国に行ける人?
十分なお金を残し、きちんと介護料を支払いさえすれば幸せな老後が過ごすことが出来るなどと考えるのは、どこかに大きな誤りがあるように思えてなりません。
「会社を残す」「財産を残す」ということに躍起になっている人々の中に、親族の中の弱者に対する思いやりが配慮されているのか、また、自分自身が、心と身体の面で弱者になるかも知れないことをしっかりと認識した上で財産問題に取り組んでいるのかが、大きな課題のように思います。
言葉を出すことが出来ない人の瞳の動きから、その方が自分にして欲しいことが理解できたときほど嬉しいことはないと言っていた介護士の方のお話しを聴いたとき、この人は、天国に行ける人だと感じて涙が止まりませんでした。
~~*~~*~~*~~*~~*~~*~
コーヒーブレイク
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▲毎日、朝晩の散歩を共にしている愛犬は柴犬の雑種。
今年で十四歳半。人間でいえば、間違いなく後期高齢者の老犬。
重度の心臓疾患のため、月々の医者通いは欠かせない。
みんなの心配をよそにグイグイと引く力は今でも強い。
足の長さは…ご主人様に似たのか?……ん?
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【ありがとうの思い出−17】
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「弱者に対して“無関心”であることが、人として最大の罪ですよ」と教えて下さった研修で出会った老人に再び「ありがとう」と感謝の言葉を送らせていただきます。
今から十年ほど前の雨上がりの日、仕事に疲れ公園の木陰で涼風を受けて立ち止まっていたら、離れたところの噴水に向かって白い杖をもった目が不自由な方が立ち止まっていました。
私も噴水の近くの霧のようなしぶきから生まれるマイナスイオンを楽しもうと近寄ると、目が不自由な方が私の気配を感じたのか「すみません。○○駅の入口はどちらの方角でしょうか……」と尋ねられました。
「私もその駅に行きますから一緒にまいりましょう」と肩を貸して歩くこと約八分。初めての経験でしたから何としなく気恥ずかしい気がしましたが、無事に駅までお送りすることが出来ました。
私が「生きがい研究会」の研修会で知り合った老人に教えていただいたことは、その後の自分の人生観を大きく変えるものでした。
また、自分が「目の不自由な方」に対して恥ずかしくなるほど知識をもっていなかったことに愕然としたことをしばしば思い出します。
それ以来、弱者に対して“無関心”でいることだけはないように心がけていますが、自分の仕事を通して、多くの方々のお役に立てるようになるためには、自ら情報を発信し続けることと、同じ考えに共感してくださる方との交流を深めることが大切であることを教えていただいたよう思います。
見えている者が、気がついたことを言葉にして行動する大切さこそ、“無関心”の罪を犯さないことであり、教えてくださったご老人への礼だと思っています。
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【ホロニック】
(英:Holonic)全体(ホロス)と個(オン)の合成語。
すなわち組織と個人が有機的に結びつき全体も個人も生かすような形態を言う。生物は個々の組織が自主的に活動すると同時に独自の機能を発揮する一方でそうした個が調和して全体を構成する
(小学館「カタカナ語の事典」より)
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◆暮らしと経営のカウンセリングルーム◆
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◆エフピーカウンセラー
・相続のトラブルが心配だ。事前に解決しておきたい!
・暮らしの中の経済問題を聴いて欲しい!
・近隣との不動産のもめごとを上手に解決したい!
・親戚・家族間のトラブルの悩みを聴いて欲しい!
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◆リスク・カウンセラー
・家庭経済の危機を乗り切る方法を相談したい・・・
・会社も自分も債務超過になりパニック状態を解決したい・・・
・会社の経営が行き詰まりそうだ・・・何とか再生させたい!
・会社の上手な終わり方なんてあるの?
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「ホロニックス・専門家ネットワーク」を有機的に
活用して問題の解決に当たっていますので、幅広い分
野で対応いたします。
トラブルは、時間を掛けて一人で悩んでいたも事態
は悪化するばかりです。
問題解決の近道は「早期発見」「早期対応」が要諦
です。悩みごとは先送りせず、早めにご相談ください。
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