【R.F.C+M レポート】第062号
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RISK&FINANTIAL−COUNSELOR REPORT
【RFCレポート 第062号】テキスト版
−2009.2.19−
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RISK&FINANTIAL−COUNSELOR REPORT
【RFCレポート 第062号】テキスト版
−2009.02.19−
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【ちょっと歳時記】
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散歩で立ち寄ったスーパーの植物コーナーで、紅梅の鉢植え盆栽を見つけました。清楚で気品さえ感じる白梅と比して、何とも華やかな感じがするのでしょうか。
季語には「白梅」がないそうで、梅というと白梅を指しその位置づけは古来から確固としたものがあったのだとか。
本来、「紅梅」とは、枝を切ったときにその随が赤いものの種類を指します。「白梅」より少し遅れて咲く紅梅は、今が盛りのようです。わずか三十pにも満たない樹なのですが、百個以上のつぼみを付けて、辺りに薫りを放っていました。
昔は、正月に開花するようにタイミングを合わせて咲かせたりして楽しんでいました。
〜♪梅にも春の色を添えて 若水汲みか車井戸〜♪
記憶の薄れた端唄を小声で口ずさみつつ、春一番を背に受けて家路へ…。
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リスクのクスリ
【いざの時の備えにならな資産の不動産
万一のためには現金をモノに変えない 】
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◆不動産売却が資金繰りに間に合わない
遅すぎる政府の景気対策のみならず、リスクを負いたがらないポーズばかりの金融機関の対応に耐えきれなくなった中小企業経営者は、次々と身を捨てる思いの決断をして不動産の売却に当たっているものの、見事にまで砕け散った証券化商品の世界で弄ばれた不動産市場は、あたかも残飯のように見向きさえもされない状況となり、換価して資金繰りに回すことすらできない状況となっています。
これまでにそこそこの業績を出しながら営々と経営してきた企業には、金融機関の勧めに協力し、万一の時は処分すればいいものとして「不用の用」のつもりで購入した不動産を所有している場合が少なくありません。
しかし、経営者の責任とは言い難いような世界的な恐慌風の影響が原因であっても、企業の資金繰りが厳しくなってくると、金融機関は当然のように経営者の経営責任であるとして更に追加担保を要求し、不動産を換価して資金繰りにまわすチャンスを硬直化さえさせてしまうこともあります。
金融機関の勧めで不動産を購入することは、有り余る資金がある経営者で「甘い」と笑われているのを承知でいるならともかく、かなり慎重に吟味する必要があります。今や単なるブローカー化している金融機関のことですから、執拗に勧めるにはそれなりの裏があると疑うことも時には必要です。
不動産は、必要なときに必要な物件を、いつでも転売できる手離れのよい物件を、可能な限り自己資金で購入するようにしないと、いざの時の備えになりません。
購入した物件を賃貸するなど第三者の権利関係が関わるような物件は、賃借人に問題があるような場合には著しく物件としての評価が廉価となる場合もあるので、本社ビルや営業所など自用物件として使用し、万一の時には売却して賃貸物件に移転できるような業務体制で経営に当たればいいのではないでしょうか。
◆小さく貯めて……無駄遣いをせず万一に備える
堅実な経営をめざす中小企業経営者は、これからどんなに景気が回復して、どんなに甘い儲け話が舞い込もうが、決して”金融ゲーム”に関わることだけは避けるべきであると思います。
小さくコツコツと働いて儲けて得たお金は、握り拳の中の汗の結晶のようなもので、そうして貯めてきたお金は、無駄遣いすることはできません。
そして、お金にお金を生ませようなどと、わかりもしない投資や投機をするなど「他力本願」な儲け話でお金を増やそうとしないことです。 なぜかというと、儲け話には必ずリスクがつきまとってくるからです。リスクのない儲け話があるのなら、勧める人は自分でやって自分で儲けて人には勧めません。
コツコツ貯めるお金は、信用のある金融機関に預金して、貯まったお金をバンカーに運用を任せてはいけません。自分で働いたお金を銀行に預けるということは、預金者が頼まなくても銀行は勝手に運用しているのですから、金融機関の信用不安が高まれば、むしろ、預金者としては銀行から担保を預かっておきたいという気持ちになる人がいてもおかしくありません。
◆不動産を投資や投機の対象としない経営
最新設備の整った不動産を購入したとしても、取得した瞬間からその物件は中古不動産になります。販売した不動産業者の利益を差し引いた価格が購入物件の本当の価値になるのです。
次に換価するときは、その価値は年々下がっていくというのが本来の考え方でしたが、バブル経済の背景の中で土地価格が高騰したことを受けて不動産価格全体が高くなっただけで、当面、地価の高騰が期待できないことから考えるならば、お金をモノに変えるということは、せっかくコツコツと貯めたてきたお金を減らし目減りすことに他なりません。
賃貸を目的として購入した不動産も、いつまでもその賃料収益が得られることを100%確約できるなどとは考えられないわけですから、これも同様に目減りすることだってあり得るのです。
経営者は、それなりの革新に挑む気構えが必要です。 多くの人が流れて行く方向と逆の方向へ進むことによって、新たな道が開けるのではないでしょうか。
それは「他力本願」ではなく、自分の信念により行動することであり、つねに「即、行動」を起こせるようにしておくためには貯めたお金をモノに変えず、万一に備えておくことです。
もしかして、そんな人はそろそろ今こそ不動産の買い時とみて、お金を活かすことを考え始めているのかもしれません。
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【やはり経営はバランスが一番】
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●視野を広げバランス経営を
僕は30代に、何かの症状で医者にかかったとき、医者に言われたことがある。
「どんな病気もそうですが、治す力は医者が5割に患者さん本人が5割ですよ。医者もたれもよくありません。患者さんだけの思い込みもよくありません…」
そしてぼくも加齢につれて、病気にかからないよう用心するようになった。
その一つが運動。ぼくの運動法はいろいろあるが、多くは自分で考え出す。その一つは、片方5キロの鉄アレイを二つ使った運動である。もう20年以上続けている。
その経験から、「やはりバランスが大切だなぁと、つくずく思ったことがある。
ある時期、“二つ合わせて10キロにして、使ってみよう”と思ってやったが、結論は“5キロを両手に持ってやったほうがいい”ということになった。
一方の手に10キロ持つアンバランスより、両手に5キロずつ持つバランスがいいのだ。
この考え方は、“バランス経営”ということにも通じるのではあるまいか。
生産財(企業向け)を扱うのであれ、民生品(民間向け)も扱いバランスをとる。そうすれば生産財不況に対する抵抗力が、組織に加わることになる。
ギフト商品を扱うのであれば、一方では必需品も扱うという具合。すると消費不況に際して贈答品の落ち込みをカバーカバーできるだろう。
販売法にしても、営業マンを通じて売る人的営業に偏らず、ネット販売を考える。消費市場との接触面積を拡張でき、販売チャンスを多く獲得できる。
以上に書いたことは、いずれも“バランス経営”の一例である。
しかし、このバランス経営を実現するには多少でも経営者に“視野の広さと発想の柔軟性”が求められる。一事に支店が支店が収斂した人には、これはむずかしい。
“一事に情熱を傾ける”と“ほかには関心が向かない”は、一見似ているから用心が要る。
僕たちのような仕事にしても、技術士とか○○士と呼ばれる人に、短期間で姿を消す人が多いが、それは“ある仕事にのめり込む”からといわれる。マクロ感を失うからだ。
●“2ポイント経営”に進化しよう
突風や鉄砲水のように、アメリカ発の不況は世界を覆った。日本も同様の被害。
本田技研も例外ではないが、マイナス影響を同業他社より低く食い止めできたのは、二輪車が会社を助けたと言われている。ガソリン価格高騰は、四輪車からの乗り替え客が二輪車を後押しし、不況になっても同じ傾向が現れた。
四輪車と二輸車の“2ポイント経営”のお陰だ。
釣りではよく釣れる場所を“ポイント”というが、いいポイントにさえ当たればシロウトでも結構よく釣れるらしい。
起業も似たもので、最初のポイント(商品や業種など)さえ当たれば、ホイホイと儲かるもの。そこでその1ポイントにのめり込んだまま、「うまくいったぞ」と思い込み、第2のポイントを開発することなく、アンバランス経営の道をそのまままつき進んでしまう。
“1ポイント経営”は、一種のアンバランス経営なのである。
マスコミが総合スーパー業界を書くとき、よく“大手2社”と書く。A社とB社である。最近の業績ではA社は大赤字、一方のB社は過去最高の利益を出している。明暗が極端だ。A社は本業の1ポイント経営に、まっしぐらに進んできたのである。
ところがB社は、小さな商店群ともいえるコンビニ経営を、第2のポイントして辛抱強く育てて“2ポイント経営”の構築に成功している。
人間お互いに後悔したり失敗もする。しかし、“今回の不況には、ほんと懲りごり”と思ったあなたなら、是非“2ポイン際営”にご進化あれ。
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【不動産よもやま話 】
派遣切りによる賃貸経営の悲劇
アパートオーナーのリスク管理は?
不動産コーディネーター 豊田泰幸
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◆派遣切りと工場城下町の悲劇…
自動車メーカーや電機メーカーでは大幅な減産に追い込まれたことから、その工場で働いていた派遣社員が数千人の規模で契約解除され、いわゆる「派遣切り」として大きな問題になっています。
特に、●●会社の城下町と称されるような地方都市では、その関連企業を含むと数万人規模で失業者が出ているのが実情です。
下請企業や更にその下の零細企業にも影響を及ぼし、好況の時の町の賑わいに異なる業種の起業さえも、町全体で利益を享受していたのは、つい数ヶ月前までのことでした。
ところが、メインとなる企業が大きく下方修正へと舵を切ったことによって、企業城下町全体が失速状態に陥り、金融機関のすすめでアパート経営を始めた土地を持っていた人たちが、入居者からの賃料が滞納したり、空室率が急激に高くなったりで、借り入れして建てたローンの返済に大きな支障をきたす状況に陥っています。
◆時流に流され…時流で失敗
特に、企業の社宅用にということで一括借り上げをしていた企業からの契約解除が続発したりして、大混乱の様相を呈しています。
大手企業の好況風の恩恵を受けたいと周囲の雰囲気に遅れまいとして競うようにして建築した建物も、入居者がいないのではただの箱です。
余裕のある資金の中で建てたアパート、マンションのオーナーであれば、再び好況になるまでじっと我慢をしていることもできるのでしょうが、好況ムードの中で不動産オーナーとしての事業に乗り遅れまいと、借り入れして始めた人々にとっては大きな打撃でした。
「時流に流される者は時流で潰れる」という言葉の通り、急激な変化について行くには相当の体力が必要で、借り入れしてまで時流を追うようでは必ず事業に失敗します。
◆大学キャンパスの都心回帰
川の流れにも緩急があります。急激な流れにのってスリルを感じることがいいのでしょうか。
いま、バブル崩壊の影響によって都心の地価が下がり、ゆっくりと大学キャンパスが都心回帰の傾向になりつつあります。
企業城下町のように急激なうごきはないものの、都心とその周辺では各大学に通学する学生達のためのマンションが求められています。
4年ごとに間違いなく入れ替わる学生用マンションは、メンテナンスが行き届いていることによって、空室率が低い賃貸経営ができると好評のようです。
学生用賃貸物件の経営で重要なのは、常にメンテナンスが行き届いているか、学生のマインドをしっかり受け止めていることです。
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【World Now 】
=「失われた10年」を再現しないために=
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今回ご紹介するのは、2008年ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏の著書、「The Return of Depression Economics and the Crisis of 2008」です。
この中で、クルーグマン氏は、昨年からの世界的金融危機は1990年代に日本に起こったバブル崩壊と同じ道を辿りかねないと警告しています。クルーグマン氏によると、1990年代の日本は、グロース・リセッションにあり、流動性の罠に陥っていたということです。
グロース・リセッションとは、経済成長(グロース)が見えるのに、不景気(リセッション)にある状態です。事実、1991年から10年間の日本のGDPは1980年代ほどの伸びはないものの、2回を除き成長しています。では、GDPが成長しているのに、なぜ好景気を実感できなかったのでしょうか。クルーグマン氏は、実際の経済成長がそれ以上にあったため、人や設備が余る現象が起きていたと説明しています。つまり、生産増加があっても、失業率が改善されないような現象が起こってしまいます。
次に、流動性の罠というのは、通常の金融政策が効かなくなっている状態のことです。景気が悪くなると、金利を下げ、資金調達しやすい状態をつくり、設備投資などの需要が増えるよう対応します。この対策が効かない状態は、金利を下げても、消費に結びつかず、景気が好転しない状況に陥っているということです。日本の場合、高齢化や少子化などによる先行き不安により、一般消費者が出費しなかったからという推測がなされていますが、正確なことは誰にもわかりません。金利が低い状況というのは、資産を債権で持っていても、現金で持っていても大差ない状況ということです。
日本語でいうタンス貯金状態です。いったんこの状態になってしまえば、抜け出すには、インフレを起こすしかないといいます。つまり、現金の価値が下がってしまうのなら、使ってしまおうという気持ちを起こさせることです。これにより、消費が拡大し、景気がよくなります。しかし、日本ではインフレに対する抑制が働き、ご存知のように逆にデフレ状態になっていました。
これが、日本の「失われた十年」だと、クルーグマン氏はいいます。こうならないために、今すぐにでも行動を起こすべきことが二点あるといいます。融資の正常化と公共事業による景気刺激です。
ひとつめの融資の正常化を行なうためには、銀行に資本を投入する必要があります。自己資本率規制のため、銀行が資本を守るために融資しないようになっているからです。貸付の正常化が行われるまで、資本を入れるべきだといいます。日本が約500億ドル(現在の45兆円ほど)投入したことを考えると、GDP比で考えた場合、米国だけで2兆ドル(180兆円ほど)資本投入する必要があるといいます。
しかも、ここ20年ほどに進んだグローバル化した経済環境を考えると、世界各国が足並みを揃える必要があるといいます。日本のように金利の低い国の資金が米国に流入していたことを考えると、金の流れが米国内だけの問題ではないのが理由です。
ふたつめの公共事業による景気刺激は、日本のバブル崩壊時も行なわれました。債権を発行し、公共事業を次々と打ち出しましたが、期待するほど効果はあがりませんでした。そのうち、GDPに匹敵するほど膨れ上がった債務に対する心配が広がり、民間への波及効果が起こらないまま、日本は公共事業を縮小しました。今回の金融危機においては、日本と同じことにならないよう大規模に実施すべきだといいます。
クルーグマン氏は、この二点により、この経済危機を脱したとき、もう一点すべきことがあるといいます。それについては、次回、ご紹介したいと思います。
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【リスクカウンセラー奮闘記−57】
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●まだまだ続くリーマンショックの影響
世界経済の中心的な位置づけにいて巨大化してきた「投資銀行」のリーマン・ブラザーズの破綻が報じられたのは2008年9月15日のことだった。
何と168年の歴史があったというのだか、破綻するのは本当に一瞬だったが、1930年代に起きた大恐慌の時のようにテントシティー(日本では派遣村)が公園内には入村者が列をなす光景があった。
「投資銀行」は、私たちが日常的に利用するように預金を集めたり、小切手の決済をするようなことはせず、国や企業が資金調達を必要とするときに投資に応じてくれる銀行で、企業のM&なども行っていて企業の業績が向上するように支援をして、大きく成長させそこから利益を得る金融機関です。
また、住宅ローン債権を集めてそれを有価証券の形にした「証券化商品」を世界中の機関投資家に販売し、そこから利益を得るというハイリスク・ハイリターンの事業が、サブ・プライムローンが「金融ウイルス」と変態し、その金融ウイルスが組み込まれた高利回りの「証券化商品」として世界中にばらまかれ、金融機関と金融機関の甘言に乗って購入した企業が利益を享受していたが、不健全なバブルな経済に天にも昇る気分で踊り酔いしれていた投資家に対するツケは、瞬時にして世界経済を奈落の底に突き落としたのだ。
●切り捨て御免に遭った下請企業の悲劇
そんな大手の企業が生き残りのためにとった手段が、買収、M&A、工場閉鎖、操業短縮、派遣切り、社員切り、下請け企業の切り捨てである。
下請け企業への発注量が20〜30%の減少ではなく、60〜70%に激減しているのだから、どんなに優秀な経営者であったとしても、このままの体制で会社経営を続けていくことはかなり厳しい状況となってくる。
企業の永続と経営再生のための努力をしようにも、あまりにも急激な売上減少は社員に給料を支払う原資に満たないばかりか、稼働する機械設備のリース料金、電力料金、水道光熱費のライフラインの支払いにさえも滞りがちになり、断腸の思い出で事業閉鎖を決断しなければならないことになっている。
大手企業経営者が事業縮小、民事再生、破産申請などしても、社長に不正があったような場合以外、社長個人が会社の債務を負って個人の財産を処分したということはまずあり得ない。
しかし、中小零細企業経営者の場合はそうはいかないのが現実である。事業を縮小するにもお金がかかることになる。会社にその資金がなければ個人がそれを補填しなければならない。補填する資金がなければ新たに借り入れしなければならず、果たして金融機関がその資金を融資してくれるのだろうか。
好況時には大手取引先と取引があるということを与信の条件として融資を続けてくれていた金融機関も、親会社との取引が縮小することで今までの与信度が一気に下げることになる。
時には「要注意会社」として与信ランクが下がることになるわけですから、どのように藻搔こうとも必然的に倒産の道をたどることになり、そこには新たな失業者が生まれています。
辛苦を共にしてきた社員に対し、不本意ながら事業を継続できなくなったことを涙ながらに告げる経営者の心境はいかばかりのものかと察するものの、これから…傍に付き添って再起への支援をするわけだが、数ヶ月、数年後のイメージを描きつつ、経営者と社員の別れの光景を、リスクカウンセラーとして複雑な気持ちで静かに見守るしかないのだろうか。
もっと早く知り合い、転ばぬ先の杖になってあげられていたら…。
●再起のチャンスは培った技能にあり
やむなく会社を閉じることになった経営者と解雇される従業員は、脇に付き添う私よりも平静を保ち、淡々としている場面にときどき立ち会うが、黙々と片付けをしたり道具類の手入れをしているなどして平静でいる人々の殆どが、それまでに仕事の中で培ってきた技能を身につけているのだ。
その道のエキスパートといわれるような技能を身に付けている人は、他の会社からかならずと言っていいくらいにお呼びがかかってくるし、社長が仕事仲間に声がけをしてくれて転職できている。
「人間いたるところに青山あり」と言われるように、社長とて同様に、それまでにどれだけいい仕事をしてきたかは、どこかで誰かが見ていてくれるもので、倒産したからといって、夜逃げをしたり、ヤケクソになっていたのでは決して再起の道を辿ることはできない。
芸は身を助けるではないが「技能は身を助ける」と言うように、今さら言うまでもなく平時の仕事に向かう姿勢が大切なのだということだ。
大手企業の話題として「管理職以上の社員は10万円以上の自社商品を購入しろ」と言うお達しが出たというが、社員も経営者と一丸となって会社再興のために力を合わせているようだが…、もともと余裕のない中小零細企業では、明日の生活に直結する収入を確保しなければならないから大変だ。
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コーヒーブレイク
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▲ミモザの花
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【ありがとうの思い出−13】
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司法書士・原内直哉先生ありがとうございました。
先生とは「ビジネス会計人クラブ」を通じて知り合いましたが、私の事務所に相談にいらした債務超過の若夫婦の問題に、一緒に取り組んでいただき、一組の若夫婦の問題を解決できたことに感謝しています。
若夫婦は、毎月サラ金やクレジットカードの支払いに追われ、二人はそれぞれが数百万円の債務をかかえて借金返済のために働いていました。
そもそも妻からの相談からスタートしたのですが、当初の相談はまったく別の夫婦問題でしたが、問題を解きほぐしていくうちに見えてきたのがこの債務問題でした。
夫婦の債務問題を解決するためには、妻より大きい債務を抱えている夫の問題を同時に解決しておかなければ、妻の収入は夫の借金返済に充当されるだけで、根本的な解決にはならないばかりか、債務が更に大きく膨れることになってしまうことが十分懸念されます。
若夫婦を原内先生にお引き合わせし、二人の気持ちをくみ取りつつ債務整理に対する取り組みを本音で話していただきました。
二回目の面談の時には、それまで決断できずにグズグズしていた夫も、原内先生のアドバイスを受け入れ、債務整理の手続きを始めていただきました。
若夫婦は、車を手放したことで毎月の支払いで四苦八苦していたオートローンからも解放され、妻は新たな職場に就職も決まり、活き活きとして働けるようになってきたようです。
再起していく若者の姿には清々しいものがあり、原内先生が取り組む債務者の問題解決に向けられた情熱に、迷う人の行動を突き動かす大きなパワーがあったのだと感じています。これからもよろしくお願いいたします。
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【ホロニック】
(英:Holonic)全体(ホロス)と個(オン)の合成語。
すなわち組織と個人が有機的に結びつき全体も個人も生かすような形態を言う。生物は個々の組織が自主的に活動すると同時に独自の機能を発揮する一方でそうした個が調和して全体を構成する
(小学館「カタカナ語の事典」より)
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◆暮らしと経営のカウンセリングルーム◆
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◆エフピーカウンセラー
・相続のトラブルが心配だ。事前に解決しておきたい!
・暮らしの中の経済問題を聴いて欲しい!
・近隣との不動産のもめごとを上手に解決したい!
・親戚・家族間のトラブルの悩みを聴いて欲しい!
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◆リスク・カウンセラー
・家庭経済の危機を乗り切る方法を相談したい・・・
・会社も自分も債務超過になりパニック状態を解決したい・・・
・会社の経営が行き詰まりそうだ・・・何とか再生させたい!
・会社の上手な終わり方なんてあるの?
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「ホロニックス・専門家ネットワーク」を有機的に
活用して問題の解決に当たっていますので、幅広い分
野で対応いたします。
トラブルは、時間を掛けて一人で悩んでいたも事態
は悪化するばかりです。
問題解決の近道は「早期発見」「早期対応」が要諦
です。悩みごとは先送りせず、早めにご相談ください。
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