前回のコラム「お金が貯まらないのには理由がある」についてお読み頂いた私のお客様より大変興味深いお声を頂きました。
「財布には多額のお金を入れない」については誰にでもすぐにできるものでとても良いと思いました。しかし、日々の出費を「現金」で行っている人自体が少なくなってきているとも感じています。例えば、支払いをクレジットカードやedyを代表とする電子マネーやSuica/Pasmoなどの交通系カードなどにチャージしてあるお金を利用する場合は「お財布の現金」とは離れた出費となります。こうした決済を利用する現代ではどれぐらいの金額を使ったかとても把握しづらい状況になっていると思われます。「現金」を使わない支払いはどのように出費を管理するのがベストなのか。ぜひお聞きしたいと思います。
この方のご指摘通り、もしお財布を持ち忘れて外出しても交通系カードにチャージしてあるお金を利用すれば「現金」がなくてもコンビニで買い物はできますし、駅のカフェで食事もできる時代です。こうした便利な支払い方法はますます加速して行くことが予想される中「お金の管理」について見えにくくなっている問題が浮上してきますね。今回は便利な決済方法として現金に代わるクレジットカード、電子マネー、交通系カードとの付き合い方をお話し致します。
1.クレジットカード、電子マネー、交通系カードなどは数多く持たない
現金に代わる決済方法とは言い換えると「出ていくお財布」です。「貯めるお財布」は何個あっても良いと思いますが、出ていくお財布が多いと少しずつしか使っていない感覚であってもお財布自体が多ければ単純に多くお金を使ってしまう結果になりやすく危険です。今すぐご自身のお財布にクレジットカードが何枚入っているのかご確認ください。初めの一歩は「決済カードは多く持たずにできるだけまとめる」ことをお勧めします。
2.便利な決済方法を利用する時の「ルール」を決める
クレジットカードのお金管理が難しい理由として、買い物時やレストランに行ってクレジットを使った日と支払い日(口座引落日)にずれが生じるからではないでしょうか。クレジットを使う場合、その場でお財布の中の現金が減りませんのでお金を使っていないような錯覚が生まれます。その結果お金を使いすぎてしまい、口座引落日に現金が足りない事態に陥ってしまう危険が考えられます。
そこで、クレジットカードを利用する場合は使いすぎない工夫として「ルール」を決めることをお勧めします。
例えば、
・クレジットカードの限度上限額を低く設定 し、使いすぎを防ぐ。
・クレジットカード決済を固定費など決まっ た支払いだけに留め、他の利用はしないこ とで使いすぎを防ぐ。
・クレジットカードは持ち歩かず、レストラ ンに行く時や特別な買い物をする時だけ財 布に入れる。
・クレジットカードのリボ払いには高い金利 が付くので利用しない。
・クレジットカードを使った場合は同額の現 金をクレジットの引き落とし口座に入れる。
・電子マネーのチャージは「決めた額を月に 一度だけ」とし使いすぎを防ぐ。
こうしたヒントの中からご自身にあったルールを採用し、お金を使いすぎない工夫をしましょう。
3.利用内容と金額を確認する
どのようにお金を管理するかについてですが、いくら使ったのかまずは「確認する」ことから始めましょう。交通系カードは改札を通る時や買い物をした際に残高が表示されますので必ず確認する癖をつけましょう。クレジットカードの利用額は書面やインターネットの利用明細金額の確認ができますので月に1度「無駄はないか、使いすぎが発生していないか」を必ず確認しましょう。毎月の確認日を決めておくのもよいですね。
「支払い時の便利さ」を利用するには、同時に「お金を管理する」力が必要になってくることを忘れてはいけません。
せっかくご自身でルールを課しても守れなければかえって逆効果で終わってしまいますから、便利な決済方法は楽しみながら行いたいものです。
クレジットカードや電子マネーにはポイントを貯めて欲しい物に交換したり、買い物ができるのも魅力の一つですから、普段の生活の中でよく利用するサービスの中から自分に合った便利な決済方法を楽しみながら賢く活用されてはいかがでしょうか。