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リスク・カウンセラー奮闘記−147
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リスク・カウンセラー奮闘記−147
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●「重要な下請け」は親会社に提案できる会社!
下請け企業として生き残れる会社の評価には「あの会社には、どの仕事を依頼しても管理が徹底しているので最後まできちんとこなしてくれる…安心だ。どんどん発注したい!」
親会社から絶大な信頼を得ている下請け会社は、親会社としても疎かに出来ない。更に、厳しい要求をしてもそれもこなしてしまう。
そのような企業は、下請け会社側から、親会社に要求したとしても理にかなってさえいれば同意してくれることもある。
親会社としても、社内の一部門でもあるが如くコミュニケーションもスムーズで小気味良い。
そうなるには、経営陣の並々ならぬ信頼関係保持のための高い意識がある。部下に対しての徹底的な指導力が発揮され、部下から上げられる問題提起も即座に解決できる「仕事の流れを止めない」という信念で経営陣が率先して行動している。
親会社とはいえ、時には作業指示書や品質基準書に誤りがあることもある。その誤りを発見できるだけの能力を持つ下請け企業になることが、親会社にとってなくてはならない下請け企業のレベルに達していると言うことでもある。
これは、製造業でも、食品加工業でも、建設業でも全く変わらない。
●「都合のいい下請け」は親会社の言いなりの会社!
親会社からみて厄介な下請け会社は、頻繁に品質トラブルがあり100%の評価が出せない信頼性評価の低い下請け企業で、中途半端にそこそこの仕事はするがパーフェクトは期待できない。トラブルが発生したら保険で処理すれば良いという安易な考えで、小さな作業ミスが『会社の信用失墜』をさせているという意識が経営幹部に欠落しているのを、保険でリスク管理をしていると考えているとしたらそれは大きな誤りだと気づかなければいけない。
品質管理、業務管理が徹底できていない下請け企業は、親会社からは『生かさず殺さず』の扱いか『都合よく利用すればいい会社』という評点になり、やがて切り捨てられることになる。
今は、バブル経済最盛期の下請け不足の時代とは大きく異なり、トラブル原因の内的要因を解決しないまま、脈々と続けている社内の悪習に気がつかず、自らメスを入れられないようでは経営が危うくなる。改善する意識がない人の発言には、『今の手順しか考えられない…』のひと言で、一蹴してしまう。トラブルが起きているのに改善提案が先に進まない。とても信じられない。
製造過程にて作業指示書のミスや現場担当者の手違いなど、ミスした担当者の責任を追求するよりミスの原因と改善対策をしないで、今までと同じように作業していたのでは、過ちは再び起きる。
トラブルが再発しないようにするための業務改善として『ノーミスの仕組み作り』に経営者は全頭脳を働かせて欲しいものだ。
「小さなミスがどれだけ利益を圧迫しているのか」を理解しようとせず、改善が出来ない理由ばかり並べて一向に改善しようとしない幹部の意識を改善しないと利益率向上は絶対に果たせない。
はるばる来た栃木からの事務所へ戻る東北道を運転しながら、ミスする担当者の意識改善よりも、『ミスを発生させない仕組み作り』の大切さを受け入れようとしない幹部社員の言葉に、2年後の恐ろしい光景が頭に浮かび、リスクカウンセラーとしての責任に思わず身震いがした。
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季節に託して祈る願いと感謝。「日本の室礼」二木屋の作法
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