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リスク・カウンセラー奮闘記−146
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リスク・カウンセラー奮闘記−146
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●「新規事業」の成功はトップの意気込み次第?
企業経営において、事業の内容が時代に沿った事業に柔軟に取り組むことが重要なのは言うまでもありませんが、「新規事業」への取り組む前にしっかりしたマーケティングが出来ていたかどうかが問題です。
「新規事業」に取り組むときにマーケティングにより時間軸と達成するべき目標値が明確であるかどうかが重要な鍵となってくる。取り組む前にゴールの設定が出来ているかが問題である。
「取引先に頼まれたから…」「同業会社が始めたから…」「利益が良さそうだから…」というような曖昧な動機では絶対に失敗する。
「新規事業」に取り組むときに絶対にやってはいけないのは「今が旬だから…」という感覚で事業を始めることである。
「時流(流行)を追えば、時流に流されて終わる」と、4千年前から易経の中にも書いてあるように、絶対に時流を追ってはならないことである。
新規事業を推進するのに、責任者は担当役員が最期まで責任を取って着手するようでなければならない。
万一新規事業が失敗したときの責任を部下に押しつけるような体制を取ってスタートするなんて絶対に許されない。
新規事業を成功させるには、受注活動に専念する営業部員の教育がある。
3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に幾らの売り上げを達成するのかの目標値が明確でなければならない。
更に重要なのは、目標値を達成するための社内の関連部署の体制が出来ているのかどうかである。
製造部門が必要であれば、その組織体制作りをするべきで、工事部門が必要であれば、工事関係部署の全員が目標値に向けて取り組む体制と意識を教育できていることである。
最悪の状態は、営業が目標を定めて受注してきたとしても、受け皿となる製造や工事部門が精神的に拒絶しているようなケースである。
部署をまたいでしっかりした連携が出来ていなければならないのだから、それぞれの部署を見渡せる立場にいる役員が、総責任者となって率先実行し、目的とする一定の売上高を確保できるようになるまでは、役員は気を緩めることは出来ない。
●「新規事業」の成功は計測可能にすること!
中小零細企業における「新規事業」のマーケティングのゴールは、絶対に計測可能なものにしておかなければならない。何となく始めた…、上手くいかなかったら直ぐやめればいい…、というスタートでは、社員が混乱するばかりだ。時には社長が自らプロジェクトリーダーになって社内体制がギクシャクせず、受注から売上・回収までがスムーズに流れるような人間関係と成果に対する評価の基準も併せて整備しておくべきだ。
会社としての大きな目標設定の下に、取り組んでいる事業であることが経営トップが明確にしなければ絶対に成功しない。ときどき、ミッションが上手く進まないときに現場で働く担当者に責任転嫁をするトップのことを耳にしますが、一番卑劣な行為です。一つ一つが意味のあることの積み重ねである数値化が重要です。
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栃木県足利市の史跡足利学校事務所で購入できます。
今から数えて、二千五百年ほど前の昔の話です。その頃、お隣の中国は、周という王朝が治めていた時代でした。周という国は、国として出来上がった初めの二百五十年ほどの間は、政治家はもちろん、国民一人一人が、人間が生きるための大切なルール(きまり。これを「礼」といいます。)をよく守ったので、人と人との争いごともなく、たいへんよく治まった平和な国でした。それがだんだん時が経つれて、人々が礼を忘れ、欲望(ものをほしがること)が強くなり、人と人との争いが絶え間なく・・・・
編集:須永三知夫/イラスト:原幸世/発行:足利市教育委員会
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