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リスク・カウンセラー奮闘記−136
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リスク・カウンセラー奮闘記−136
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●メールを送った側と送られた側の食い違い
わたしはメールでお互いの意思を疎通させることが大嫌いだ。その中でも特に嫌いなのは携帯メールだ。次ぎにスマートフォンで、パソコンメールが最期だが、それもやむなく受け入れざるを得ない周囲の状況があるからで、できれば電話で話すことの補助として活用することにしたいと思っている。
「メールは便利」だというメール活用派の人には呆れられるかも知れないが、メールには幾つもの問題点があると思うからだ。
それは、メールを送信した側と送られた受信側との連携関係だと思う。
メールでの連絡のやりとりで一番重要なのは、メールを送った相手が「確実に開封するのか?」それとも「時には開封しないこともあるのか?」という点であるのだが、殆どの場合、送り主の意識としては、相手が開封してくれることを前提に送っているわけで、送信ボタンを押すと同時に、その内容については相手は周知しているものと考えていることになるので、必ずしも意思の疎通ができているものとは思えないのに、返信のメールがないことに苛立っている場合も多いようだ。
つまり、メールは単なる情報伝達手段であって、意思の疎通をさせるためのツールではないのです。
「添付データーをメールで送信する」のは宅急便や郵便より早いと考えられるが、相手がメールを開封しても添付ファイルを開封して内容の詳細を確認しなければ「確実に開けた」ということにはなりません。
ある取引先とのやりとりで、担当者に『先日打ち合わせた●●の件についての回答はどうなりましたか?』と電話をすると『先ほどメールで送っておきましたよ』との返事が…。
それなら送信する前に電話でひと言連絡するべきだ…と言えば『お約束通り今朝一番で回答した』と言うので、呆れてそれ以上何も言わなかった。
●メールで心のコミュニケーションがとれる?
ずいぶん前に聞いた話ですが、自分の席の後ろの人にメールで仕事の依頼をしたとか、上司に宛ててメールで退職届を提出したというようなビックリするような話もあります。
特に情緒面や感情的なこと、誹謗・中傷や個人情報までもメールでやりとりするのは、メールには不向きであることは間違いない。
メールが日常的になり始めたころのある会社での出来事ですが、社長が全社員向けに発信した同報メールの内容に、一人の従業員と個別に話し合って解決すべきことがうっかり書いてしまったことに気づかず社長不信が社員間に広がり、6割の社員が退職することになって、再生計画に大きな痛手となるほどの結果を招いた事例もあったと聞きますが、一度発信してしまったものは無かった事にはできないのですから、メールは恐ろしいです。
メールを発信する人は、メールを送った相手との日常のコミュニケーションがとれていることが大切です。 「メールを送ったから、そのことで必要なことは伝えましたよ。わかっていただけていますね。」という考えは大きな間違いです。
メールにおけるレスポンスが今イチの時には、電話や訪問などにより「正しく伝わる」さまざまな工夫を考えるべきです。
声のトーンや、顔の表情によって相手とのコミュニケーションは深いものになります。
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