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リスク・カウンセラー奮闘記−122
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リスク・カウンセラー奮闘記−122
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●分からないかな?『定点観測』の重要性
自分の立ち位置は何処なのか、どの方向、どのポイントを観るのか、どんな目線の高さで観るのか、そして、どれだけの時間を観続ければ良いのか…と、これは『定点観測』をする場合のする場合の前提条件であると言えます。
『定点観測』といえば、海洋上の定点で行われる気象観測が代表的なもので、数百、数千の複数の地点の定点観測の結果を集めて、天気図が作られてきた。
同様に、同じ場所から、空の画像、天候・気象の数値、車両の交通量、人や動物の移動数、植物の成長記録、火山の噴火口の様子などを時系列的に観測(観察)・比較し、その時間変化と差異情報を解析するために行う情報収集が『定点観測』です。
事業経営者は、経営上で不可欠な『経営指数』の変化をチェックして素早く対応できるようにするのも『経営指数の定点観測』であると言えます。
観測手法に『定点観測』『集中観測』『移動観測』がありますが、長期にわたる観測には『定点観測』が適切で、短期間の観測には『集中観測』『移動観測』が用いられています。
『経営改善計画書』の作成における、年度実績、月次実績などに時間軸つけた推移表や推移グラフなどによって定点観測をしているのです。
『定点観測』において重要なことは、時間軸の変化の中で、数値や現象を意図的に加工したり何らかの手を入れたりしたのでは、データの信頼性は一気に失墜することを知っていなければなりません。
特に、生物の変化を『定点観測』する場合に、観測中に人の手が入ったり、意図的に条件変更をするようなことでは、まったく観測の目的が理解できていないとしか言いようがありません。
それは、扮飾決算書を作成するようなもので、観測者が『定点観測』の重要性をまったく理解できていない…としか言いようがありません。
●助言に耳を傾けない?もしかしてお客にも?
科学雑誌・ネイチャーでSTAP論文を正式取り下げした背景は、論文中に切り貼りがあったり、データの一部が他の論文からコピー&ペーストされていたり、意図的にデータが差し替えられていたから…と言う理由からだった。
数年も前のことになりますが、自社で開発した新商品の特徴を、他社と比較する際に意図的な手法を用いて定点観測して表現しようとしていた。 第三者の目を欺くことはできないことを何度も忠告したが、それを理解できない経営者が強引に押し切ったということがあった。
案の定、出来上がった動画には意図的に撮影したという違和感があり、かえってその新製品を購入することに抵抗感を感じるものだった。
そんな意識でいる経営者のことだから、お客様が求めている製品への品質要求やクレーム追求についてもしっかり耳を傾けず、自社の商品の特徴に酔い痴れてしまい、強引にお客に押しつけている様子が目に浮かぶ。
そんな会社の経営者は『事業改善計画書』を作っても、毎月々の数字を正確に入力することもなく、場当たり的に必要に応じて数値を記入して自己満足しているに違いありません。
必要と感じて始めた『定点観測』は継続してこそ意味があるものです。自分の子供の成長記録を改ざんする人はいないはずです。
経営指数も、商品撮影も、品質管理テータも、ありのままの事実でありたいものです。
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